政府の総合規制改革会議が(議長・宮田義彦オリックス会長)は医療・福祉・雇用・労働などの規制改革に関する「第3次答申」を発表しました。このなかで、労災保険について自賠責保険との共通点を指摘し、民間開放・民間への業務委託を提案しています。現在の労災保険は労働者を一人でも雇う事業所は加入が義務付けられ、事業者の過失・無過失を問わず、従業員の仕事上の私傷病に対して補償をする政府管掌の社会保険です。「答申」では労災認定の基準は国が定めつつも保険の運営を民間にゆだねようというもの。労災保険は労働者保護を第一義にしており、職場の安全衛生管理の推進と深くかかわっています。労働基準監督署がそのために保険適用と保険給付、安全衛生指導にあたっています。これを切り離して保険を民間会社に任せてよいものか。保険会社とて営利を目的とする私企業です。保険適用は利益があがるところ、保険給付は少なくということになります。民間開放の口実として自賠責保険の例があげられていますが、車検を通るためには自賠責に入っておかなければならないのに対し、労災保険は加入を強制する車検に相当する担保がありません。未加入事業所が膨大に出現することは必至です。この点、たとえ未加入事業所で労災事故が発生しても労働者について補償が行われ、その事業所に過去の保険料を一定額支払わせている現行制度との違いは歴然としています。自賠責保険が損害保険の大衆化を促し損保市場を拡大させたのですが、その後損保各社の過当競争をもたらしました。

 このように「規制緩和」のスローガンがだれに対して何のための「規制緩和」なのか、むなしく思えてなりません。かつて過労死が労災に該当するか否か、関心が集まった時期がありました。今も深刻ですが、現在では多くの事例が労災として認定されるようになりました。こうした新しい労災事例に民間保険会社で対応できるのか、職場に踏み込んでいけるのか、という批判が起きています。損保会社における過労死問題の発生とその解決は、過労死について労災認定の間口を広げさせることに貢献してきました。この先、こうした労災も損保社員自ら査定し保険給付を絞る役目を担わせることになるのかもしれません。(2004.4)

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