維新政治に翻弄された「大学統合」 学習交流会ひらく

2020.1.25集会.jpg1月25日、大阪市内で府大・市大「考える会」は学習交流会を開催しました。森裕之・立命館大学教授の講演を受け、両「会」の活動報告と提案を次のように行いました。

(講演など集会の内容を冊子にしました→こちら

 

このたび、前回(2018・7・28)の学習交流会から1年半を経て、府大・市大の両「考える会」主催で4度目の学習交流会を開くことができました。みなさまのご協力に心から感謝します。

この「7・28学習交流会」の内容はパンフレットにして両大学のOB・OGをはじめ関係者の方々に広く配布されました。岡勝人・府立大学名誉教授による「府立大学創立期の学問の自由の気風について」、広川禎秀・市立大学名誉教授による「恒藤恭と学問の自由を考える」という講演は、「改めて両大学の来し方(歴史)を振り返り、両大学の民主的な気風の形成に誇りを持つことができた」「この伝統を守りたい」と大好評でした。

●昨年2019年4月、府大・市大の両大学法人が「統合」、新たに発足した公立大学法人大阪は、さっそく維新府・市政の後押しを受け、2022年度の新大学開学にむけた「新大学基本構想」をとりまとめ、同年8月27日の副首都推進本部会議に報告、審議に付されました。さらに、府・市・法人3者による検討を経て、今年2020年1月、「新大学基本構想(案)」が発表されました。

@「構想(案)」は、「新大学がめざすもの」の項目で「都市課題解決や産業力強化などに貢献する」「2つの新機能」といって、行政機関や企業との連携を義務付け、「選択と集中」が必要だとして、「両大学の同種分野の融合」(統合・再編・リストラ)を迫っています。ここに維新府・市政が押し付ける大学「統合」の大問題があります。最近、IR事業者選定委員会に西澤理事長、市大医学研究科教授、市大工学研究科教授の3氏が就任したのは偶然でしょうか。

Aまた、「新大学のキャンパス」の項目で、「2025年度を目途に都心メインキャンパスを森之宮に整備」「同種分野の学部(工学部、理学部、看護学部)については、キャンパスの集約化を優先的に進める」。「森之宮キャンパス整備に当たっては、民間活用の検討を行う」「新キャンパス整備に伴う相当額の投資については、合理的な範囲で可能な限り圧縮する」(大学法人の示した事業費推計1000億円は、基本設計を行う中で整備内容や事業費の精査を行い、再検討を行う)としています。

大阪城東部地区の開発計画に、大学キャンパス問題を呼び水にしていいのでしょうか。

B「統合」の背景に、両大学が独立行政法人に移行して以降、府・市が両大学に交付する運営費交付金(国からの交付金・基準財政需要額)が減らされ続けてきた大問題があります。2016年度の運営費交付金は、府大で05年比75・7%(約31億円減、国の補助金を下回る)に、市大で06年比71・7%(約40億円減)に減らされています。両大学とも教職員は大幅削減され、大学の運営資金確保のため、外部資金獲得に追われています。

C大阪市大では、2016年度の防衛省委託研究に応募・採択され、3年間で1億1700万円の研究資金を受け取ってきました。さらに、2019年度にも再び山田裕介教授による「毒ガス関連研究課題」が応募、採択される(19年8月30日防衛省発表)という異例の事態となっています。「技術インキュベーション」機能強化といって、軍事研究に加担する大学になっていいのでしょうか。軍事研究は、教育・研究をゆがめ、憲法の平和原則に反しており、直ちに中止するべきです。

●今年2月の府議会・市議会に「統合関連議案」(中期目標変更案)とともに、新キャンパスの設計や調査に係る費用についての予算案が提案され、審議されます。私たちは、府・市議会が、広く府・市民の意見に耳を傾け、2つの公立総合大学の発展方向や大学予算について、設立団体としての責任ある立場をふまえ、慎重な審議を行なうよう強く求めます。

●2022年度の新大学開学にむけ、「統合・再編」(リストラ)が強行されれば、両大学がこれまで培ってきた伝統が台無しになりかねず、両大学と大学関係者のなかで新たな矛盾や問題点が噴出するのではないでしょうか。

大学改革は、広く府民・市民の意見を聞き、教職員・学生・院生ら大学関係者の民主的議論と合意にもとづき、また「建学の精神や伝統」「学問の自由」「大学の自治」を尊重して行われるべきです。

私たちは、2022年春に予定される大学「統合」に反対し、山積する問題点を大学人、府民、市民に提起していきたいと考えます。また、「大阪市の廃止」に反対し、幅広い共同に参加していきます。

 

森裕之さんの講演などを収録した冊子「大阪の暮らし、文化の発展に貢献する府立大学・市立大学めざして」は→こちら

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