大阪市立大学OB・OGのみなさんへ
11・1大阪市住民投票は「大阪市廃止」を再び否決!
市民の良識と共同の勝利です。ご支援・ご尽力に心から敬意を表します。
11月1日、全国が注視した大阪市住民投票は、大接戦の末、賛成675829(49・37%)、反対692996(50・63%)、その差17167で、大阪市を廃止・分割する「都」構想を再び否決、大阪市存続を決定しました。これは、「政令市・大阪市をなくしてはならない」という“市民の良識”の勝利です。
今回の住民投票では、「よくする会」や「明るい会」をはじめ、「市民の会」や学者・文化人、法曹関係者、医療関係者、町会・地域振興会、SOCS(青年)など、広範な市民による反対運動が急速に広がり、大阪の自治と暮らしを守るために結集した党派を超えたたたかいが展開され、大阪府下・近畿一円・全国から熱い支援も寄せられました。まさに良識と共同の感動的な勝利です。なかでも、卒業生や元教員など多数の大阪市大関係者が活躍したことは私たちの誇りです。あらためてOB・OGのみなさん、ご支援・ご尽力いただいたすべての方々に心から敬意を表します。
住民投票の論戦を通じて、①大阪市の「廃止」か「存続」か、②住民サービスが「良くなる」か「悪くなる」か、③「インバウンド、カジノ頼み」か「暮らし・福祉・教育優先、中小企業応援」か、が焦点になり、推進勢力のウソとゴマカシ、市役所ぐるみの醜い実態がテレビ討論やマスコミ報道でも浮彫りになり、「大阪市を守り、まともな市政に変えよう」という声の広がりが、数億円を投入した「物量作戦」を打ち破り、最終盤の逆転勝利への流れをつくりだしました。
住民投票の結果は、「2度の敗北」を認めた大阪維新政治への痛烈な審判となりました。同時に、今回も超僅差であり、「賛成」した人たちの考えにも思いを寄せ、10年にわたる「対立・分断」を癒す努力が大切だと考えます。
また、住民投票の結果は、国会で維新議員の「都」構想推進の質問に対して「大都市制度の大きな改革」と答弁し、維新と気脈を通じる菅政権にとっても大きな打撃となりました。日本学術会議会員の任命を拒否し、「学問の自由」への攻撃を始め、大学に軍事研究を押しつけ、「改憲」「戦争する国」づくりへの道をすすめようとしている菅政権と、市大・府大「統合」をすすめ、私たちの大学を「軍事研究」に加担させようとする維新政治は、「同じ穴のムジナ」です。今回の住民投票「否決」は、菅政権や維新の政治、また大学「統合」の行方にも必ずや大きな影響を与えるでしょう。
大阪市大の卒業生にとって、設立団体である大阪市の存続が決まったことは大きな喜びです。
私たちは、1933年「京大滝川事件」や1943年「大阪商大事件」の歴史の教訓を思い起こし、「大学の自治」「学問の自由」を侵害し、ときの政権に奉仕する大学づくりへの企みを許さず、今後の国・府・市政の動向、大学「統合」の行方を注視しつつ、暮らしと平和・民主主義、「学問の自由」を守り発展させる運動に、ひきつづき取り組んでいきたいと考えます。
これからも、みなさんのご協力をよろしくお願いいたします。
2020年11月3日 大阪市立大学の統合問題を考える会