2023年8月、防衛装備庁が主管する「安全保障技術研究推進制度」について、応募と採択の内容が公表されました。そのうち大阪公立大学の応募とそれが採択されたことが明らかになりました。大阪市立大学時での2件の採択に続くものです。同大学が同制度について連続的に応募し、採択されてきたことに憂慮の声が高まっています。

 2024年1月31日、大阪市大・大阪府大の卒業生らは大阪公立大学の学術研究支援部を訪ね、以下の抗議・要請書を手交しました。応対した同部課長は「大学の態度は変わらない」と述べ、回答しないことをほのめかしましたが、私たちは「この抗議・要請は請願権に基づくもの」であると強く回答を求めました。

 

抗議・要請書

大阪公立大学長

辰巳砂 昌弘様

 

貴大学の2023年度・防衛省「安全保障技術研究推進制度」への

応募・採択に厳重抗議し、直ちに中止・撤回されるよう要請します

 

20238月、防衛装備庁は23年度の「安全保障技術研究推進制度」の応募・採択状況を公表しました。応募件数は119件で、23件が採択されています。そのうち、大学等の応募は23件であり、5件が採択されており、小規模研究課題(タイプC)に、大学(大阪府立大学)の森浩一教授による研究課題「電離圏プラズマを利用する新しい宇宙推進エネルギー工学」(概要:地球低軌道を覆う電離圏プラズマ中で電子プラズマ波を操り、電子ビームを長距離伝送させ、スペースデブリに照射し軌道変換させるというシナリオについて検討を行い、「電離圏プラズマ」を利用する新しい宇宙推進・エネルギー工学を切り拓く)が採択されています。

デュアルユースの名による「安全保障技術研究推進制度」が2015年に開始されて以降、日本学術会議は、「軍事目的のための科学研究を行わない」とする基本姿勢に立ち、同制度への対応のあり方を議論し、20173月に「軍事的安全保障研究に関する声明」を発表しました。声明は「防衛装備庁の『安全保障技術研究推進制度』では、将来の装備開発につなげるという明確な目的に沿って公募・審査が行われ、同局内部の職員が研究中の進捗管理を行うなど、政府による研究への介入が著しく、問題が多い。(中略)研究成果は、時に科学者の意図を離れて軍事目的に転用され、攻撃的な目的のためにも使用されうるため、まずは研究の入り口で研究資金の出所等に関する慎重な判断が求められる」と指摘し、「大学等の各研究機関は、(中略)軍事的安全保障研究とみなされる可能性のある研究について、その適切性を目的、方法、応用の妥当性の観点から技術的・倫理的に審査する制度を設けるべき」と提言しました。

学術会議声明に応えるように、大学からの「安全保障技術研究推進制度」への応募は、201558件(採択4件)、1623件(採択5件、大阪市大ほか)、1722件(採択ゼロ)、1812件(採択3件)、19年は9件(採択3件、大阪市大ほか)、209件(採択2件)にまで減少しました。ところが、政権による「軍事国家づくり」への政策転換が推進されるにつれ、同制度への応募は、2112件(採択5件)、2211件(採択ゼロ)、そして2323件(大阪公立大学など4大学・5件が採択)と増加してきています。

重大なことは、2回以上採択されたのは岡山大学、大分大学、豊橋技術大学、熊本大学、そして大阪市立大学の5大学だけであり、今回の大阪公立大学の応募・採択が、前身の大阪市立大学から通算して3度目の応募・採択であることです。「軍事研究」常習化が懸念されます。

私たちは、貴大学の前身である大阪市立大学が2016年、19年と2度にわたり「安全保障技術研究推進制度」に応募・採択された際、軍事研究への応募に抗議するとともに、その中止と撤回を求めてきました。ところが、大阪市大の回答は「『大阪市大における研究者および構成員の行動規範』をふまえ、本学の審査要項にもとづき審査委員会が審査し、『直接的な軍事技術とか防衛装備そのものの研究開発ではない』『正当な理由なく研究成果の公開が制限されない』『知的財産が出た場合は本学に帰属する』『研究資金の提供元から過度な干渉を受けない』『特定秘密の提供をうけない』という5項目の審査基準にもとづき、『研究成果が民生分野での活用を想定した基礎的な研究』として承認した」というものでした。

貴大学(大阪市立大学)の審査制度とは、「直接的な軍事技術や防衛装備そのもの研究開発ではない」などという曖昧な「審査基準」を設け、「審査委員会」が承認しさえすれば、どんな委託研究に応募してもよしとするものなのでしょうか。

私たちは、「研究資金の出所等に関する慎重な判断が求められる」という学術会議声明の本旨を棚上げにするやり方を断じて容認できません。大学が軍事研究に加担すれば、教育・研究を歪め、「学問の自由」を脅かす事態につながります。それはまた、かつて「大阪商大事件」を体験した貴大学の反戦・平和、自由・民主主義の歴史と伝統を汚す行為でもあります。

私たちは、貴大学による、3度にわたる防衛省委託研究への応募・採択に対して厳しく抗議するとともに、直ちに受託契約手続きを中止・撤回することを強く求めます。また、「今後、軍事研究は行わない」という立場にたち、審査制度と審査基準を再検討されるよう要請します。

具体的には、次の「4つの質問」に対してご回答いただきますよう要望します。

  この度の応募・採択に対し、どのような審査を行い承認されたのか。

  貴大学の審査制度と審査委員会の運営方針とメンバー構成について。

  防衛省委託研究に学生・院生が参加しているのか、また、学生・院生にどのように説明されているのか。

  「軍事研究に加担しない」ことを本旨とする日本学術会議「声明」(2017年)を、どのように受け止めておられるのか。

以上

 

 

  2024131       軍学共同いらない!市民と科学者の会・大阪

   大阪革新懇・日本科学者会議大阪支部・大阪平和委員会

 

 

 

 

府立大学・市立大学の「廃止」―大阪公立大学の発足にあたって

2022年4月1日    

   大阪府立大学問題を考える会   

大阪市立大学の統合問題を考える会

はじめに

 本年4月1日をもって、新しく大阪公立大学が発足し、大阪府立大学と大阪市立大学が「廃止」されることになりました。大阪府大と大阪市大は、創立以来140年の歴史、「自由の学風」「建学の精神」の伝統をもち、大阪の知の拠点″として、経済・文化・科学技術の発展に貢献してきました。戦後は公立総合大学として、比較的安い授業料で高等教育を担い、その役割を立派に果たしてきました。

 私たちは、大阪府立大学と大阪市立大学が、それぞれ府民、市民から親しまれる公立総合大学として存続し、歴史と伝統を積み重ね、発展することを願って運動してきました。

このたびの新大学発足にあたり、10年越しの経過をふりかえり、府立大学と市立大学の「統合」をどうみるか、「新大学基本構想」の主な問題点を考察し、今後の取組みについて考えます。

「二重行政の廃止」を理由に、維新政治が「統合」押し付け、大学当局が追従

 まず、府大と市大「統合」は、両大学の内発的要求からはじまったものではありません。

  2011年11月の知事・市長ダブル選挙で発足した維新の府・市政が、「二重行政の廃止」をかかげて府市統合本部を発足させ、そのもとで、学外者ばかりの「新大学構想会議」が「統合」を提言し、両大学の運営に介入を始めたのです。これに対して、大学関係者や卒業生、名誉教授、府民・市民から「拙速な統合に憂慮・反対」の声が噴出し、同年11月の大阪市会で「統合関連議案」は否決され、「統合」は一旦延期されます。15年5月の大阪市住民投票でも、「二重行政の解消」を理由に大阪市を廃止・分割する「都構想」が否決され、橋下徹市長は政界を引退しました。このとき、大学「統合」は中止されるべきでした。

 ところが、15年11月の知事・市長ダブル選挙で、維新の府・市政が継続するや、「都構想」も「大学統合」も息を吹き返し、こんどは副首都推進本部のもとで「少子高齢化、大学間競争の激化への対応」と称して「統合」が強行されます。府・市議会も、維新・公明が賛成多数で「統合関連議案」を可決します。19年4月には、まず両大学法人を統合し、公立大学法人大阪(理事長・西沢良記・元市立大学長)が発足。大学法人は、それまでの経過をふまえて「新大学基本構想」をまとめ、8月の副首都推進本部会議に報告。さらに、府・市・大学法人の3者が検討を重ね、翌20年1月に「新大学基本構想」を決定します。2月の府・市議会も「統合関連議案」を可決。同10月、大学法人が政府文部科学省に「新大学設置認可申請」を提出。翌21年8月27日、文科省が認可を公表。 

 こうして、22年4月、両大学の教職員スタッフやキャンパス・設備などを、現行のまま引き継いで、新しく大阪公立大学(学長・辰巳砂昌弘・府立大学長)が発足し、両大学は「廃止」されることになったのです。

背景に、予算削減・「大学の自治」破壊・「産学官連携」の大学政策が

 府大・市大の「統合」の背景に、政府がすすめる、大学予算の削減、「大学の自治」の弱体化、「産学官連携」の大学づくりの政策があります。

 維新の府・市政は、この政策を先取りし、「大阪に2つの公立大学はいらない」と大学予算を削減、「学長を選ぶのは市長」(橋下徹市長・当時)と「大学の自治」を攻撃し、教職員・学生・院生ら大学関係者の民主的討議を封じ込め、両大学「統合」を強行してきました。 

 府と市の大学予算は、法人化以降、毎年削減され、2016年度の予算では、府大が05年比75%の98億円に(法人化以降32億円減、国の交付金を下回る)、市大が06年比72%の104億円(法人化以降41億円減)にまで削減され、教職員も大きく減らされました。そのため、両大学は、運営費確保のため産学官連携を強め、外部資金(民間企業などからの研究資金)獲得に追われています。

 さらに、市立大学では、16年度から防衛省委託研究(防毒マスクの研究)に応募、受託し、3年間で1億1700万円の資金提供を受け、さらに19年度からの3年間も防衛省研究を継続しています。教育・研究を歪め、平和憲法に反する軍事研究は、即刻中止するべきです。

 いま、日本の学術研究水準の低下が大問題になっています。「国立大学の法人化は失敗だった」(山際寿一・前日本学術会議会長)という声があがるなど、予算の削減、「選択と集中」を柱とする国の大学政策は行き詰まっています。新大学も、このような路線をたどるなら、先行きは予断を許さないでしょう。

 新大学基本構想−スマートシティ戦略(万博・カジノ・IR誘致事業)に参画

 「新大学基本構想」(20年7月、一部変更)は、本来の使命「教育」「研究」「社会貢献」に加え、新たに「都市シンクタンク」「技術インキュベーション」の機能を備え、都市問題解決や産業力強化に貢献する新大学をめざすとし、「スマートシティ」や「Society5.0(IoT、ロボット、AI等の先端技術を活用した未来社会)」を大きく取り上げ、そのため、行政機関や企業との連携を義務付け、森之宮キャンパスには「2つの新機能の拠点(府・市・法人によるプラットホーム、データマネージメントセンター)」を配置するとしています。そして、両大学の重複する学部・学科を「融合(統廃合)」し、予算と人材を重点分野に「集中」する、ガバナンスを強化して統合に取り組む、としています。

 いま、維新の府・市政は、2度目の大阪市住民投票(20年11月)で「大阪市廃止・都構想」が否決されたにもかかわらず、無理やり「府市一体化条例」(2021年4月)をつくり、「スマートシティ戦略」として、夢洲への万博、カジノ・IR誘致、うめ北開発など、開発行政を推進しています。新大学は、この開発行政に積極的に参画するというのです。

 これでは、新大学が、維新の行政や民間企業の下請け機関になってしまい、大学の「自主性、自律性」(教育基本法)が損なわれるのではないかと危惧されます。

大学キャンパス−森之宮に都心メインキャンパス(2025年)、中百舌鳥・杉本は集約

 「新大学基本構想」は、「2025年度を目途に都心メインキャンパス(基幹教育と2つの新機能の拠点)を森之宮に整備」「同種分野の工学部、理学部、看護学部については、キャンパスの集約化を優先的に」「森之宮キャンパス整備は、民間活用を検討」としています。

 上山信一特別顧問は、「森之宮地域を民間デベロッパーが開発し、住宅、商業施設といっしょに学舎を建設、大学が入居すればよい」と、森之宮地域開発につなげると公言しました。これでは、新大学キャンパスが、教育・研究にふさわしいものになるでしょうか。民間商業地の開発と引き換えに、学問がないがしろにされてはなりません。

 「全国最大規模の公立総合大学」というのなら、「本部拠点」のキャンパスも、ふさわしい規模の施設、落ち着いた教育・研究の環境、グラウンドや緑地、サークル活動も保障されるなど、ゆとりあるものにすることが求められるのではないでしょうか。

 中百舌鳥、杉本、阿倍野キャンパスは存続しますが、重複する工学部・理学部・看護学部は集約され、余ったキャンパス用地は売却されるのでしょうか。

府大と市大の歴史と伝統、「建学の精神」を受け継ぎ、「大学の自治」を尊重して

 私たちは、両大学の「統廃合」が維新政治のトップダウンで強行されるのを黙って傍観することができず、「統合」中止を求めて運動してきました。大学問題や「統合」問題の学習、卒業生や名誉教授の方々を講師に学習講演会、大学門前での宣伝、大学当局への要請、それぞれ1万筆をこえる「拙速な統合やめて署名」を集めて知事・市長への要請(14年9月)、政府・文科省への要請(16年4月)、府・市議会へ「統合やめて」の陳情・請願、各会派への要請などに取組んできました。

 このたび、「大阪公立大学」が発足したとはいえ、新キャンパスの建設も、両大学の「統廃合」事業も、これから本格的にすすめられます。私たちは、新大学が府大と市大の歴史と伝統、「建学の精神」を受け継ぎ、「大学の自治」を尊重し、新たな前進を開始するよう、今後の動向を注視していきたいと考えます。

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大阪市大関係者、友人のみなさん
 大阪市大と大阪府大の統合・再編問題について、われわれも関知すべしの立場から、情報発信等にとりくむことを話し合っています。

 ぜひ、ご意見をお寄せください。
                                有志一同(筒井 正)

 

「大阪市立大学の統合問題を考える会」として、募金のお願いをしています。
 
 振込先口座番号は下記のとおり。

  郵便振込(赤色用紙) (振込料金が加入者負担) 

  口座記号 00930−2
  口座番号  234244
  加入者名 市大の統合問題を考える会

NEW!! 11月1日、大阪市廃止・特別区設置を問う住民投票で「反対」多数。当会が声明。→こちら

NEW!! 3月24日、大阪府議会本会議で「中期目標変更」議案が可決されました。私たちの「統合中止を求める」請願も不採択とされました。→付帯決議

NEW!! 冊子「大阪の暮らし、文化の発展に貢献する府立大学・市立大学をめざして」を発行しました。1月25日の学習交流会の内容を記録。森裕之さんの講演他を収録。→こちら

NEW!! 2月14日、大阪市会都市経済委員会で「2022年春パンフ2020・1・25学習交流会.pdf、大学統合」をめざす公立大学大阪の「中期目標」の変更議案が維新・公明の賛成で可決されました。22日、市会本会議で自民・共産の両党が反対討論を行いました。→こちら

NEW!! 1月25日、学習交流会を開催しました。→こちら

NEW!! 1月16日、大阪府・市・公立大学法人大阪は「新大学基本構想」を発表。→新大学基本構想

2019年

10月18日、軍学共同反対連絡会の西山勝夫氏(滋賀医科大学名誉教授)井原聰氏(東北大名誉教授)と「軍学共同いらない!市民と科学者の会・大阪」の代表ら7人が大阪市立大学を訪れ、以下の「抗議・要請書」を手交した。→こちら 抗議要請行動の内容については→ニュースレター№39

8月27日、第19回副首都推進本部会議が開かれ「新大学基本構想」が公表された。→会議の動画 →新大学基本構想

市大が、2019年度「安全保障技術研究推進制度」に再び応募→こちら

2018年

  12月12日に大阪市会の本会議で、19日には府議会本会議で公立大学法人大阪の1期目の「中期目標」が承認可決されました。22年春の両大学の「統合」を目指すという内容です。キャンパス問題や交付金の保証などの見通しが不明のまま期日だけの計画に批判が続きましたが、維新・公明が強行しました。

    好評!パンフレット「どうなる?府大・市大の統合 学問の自由と大学の役割」を発行しました。→こちら

    10月18日開かれた府議会教育常任委で、諸議案に対する各会派の態度表明がありました。「中期目標」議案について維新は賛成。自民は「かねてから1法人、2大学を主張しており、22年に1法人・1大学をめざすという案には賛成できない。ひきつづき審議すべき」。公明は態度表明せず。共産は「教育研究組織やキャンパス再編などの具体的提案も示さず、期限をきった『統合ありき』の中期目標案はあまりに拙速だ。」と表明。議案は、採決されず、継続審議となりました。

   新法人の「中期目標」議案、大阪市会委で「継続審議」に(9月19日)→こちら

北海道大学が軍事研究助成を辞退したことが明らかになりました(6/8)。北大は「学術会議の声明を尊重した」とのこと。辞退は大学では初めて。同時期に応募・助成を受けている市大当局の態度に注目です。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/197582?rct=n_society

7月28日午後1時半より「統合問題を考える学習・交流会」を府大I−siteなんばで開催します。ぜひご参加を!詳細は→こちら

4/9共産党府委が提言 大阪府大・市大の「統合」問題について―府民・市民共同を広げ両大学の存続・発展を→こちら

3/16市大考える会・「軍学共同いらない!市民と科学者の会・大阪」の代表が市大を訪れ、12/22の「要請書」に対する回答を受け取りました。回答書と要請書は→こちら

2/23大阪市会本会議で「法人統合」が可決。自民・北野議員、共産・小川議員が反対討論。→こちら

  大阪市会委 自公「大学統合は既定事実ではない」共産「統合に反対」(2/16) 市大中期計画の変更は可決、統合議案は継続審議に→こちら

共産党府委が提言「大阪府大・市大『統合』計画は中止を」(2/1)→こちら

2017年

「軍学共同いらない!市民と科学者の会」は市大学長に「大阪市立大学の軍学共同研究の中止を求める要請書」を手交(12/22)。回答を求める。→こちら

市会の「継続審議」を受けて両「考える会」が声明を発表しました→こちら

 大阪市会都市経済委員会は12月5日、大学法人統合議案について審議。「議論不十分」「予算措置が不十分」などの指摘が相次いだ。→こちら

府大学教職粗・府大ユニオンが「拙速な統合見直し」を求める声明を発表(10/31)→こちら

大阪府議会教育常任委員会は、11月2日、2大学の法人統合議案を原案通り可決した。採決に先立ち、石川府議が統合反対の立場から松井知事に質問。知事は、「スケールメリット」を強調するのみで、交付金の増額を約束せず。8日、府議会本会議は法人統合議案を可決した。→こちら

大阪市会・都市経済委が9月20日開かれ、「法人統合」議案について各会派が態度表明をした。→こちら     動画は→こちら

「考える会」が大阪市会に陳情書を提出(9/7)。市長・府知事、市会・府議会各会派に要請書を提出(9/13)。拙速な法人統合に反対。→こちら

第10回副首都推進本部会議が8月29日「府大・市大の統合に向けた検討状況について」議論。

提出資料は→①新たな公立大学としての2つの機能  ②府大・市大の連携・共同事業  ③新法人について

軍学共同反対連絡会が市大考える会の活動を紹介→こちら

市大の軍事研究応募について大阪市会・都市経済委員会での質疑(3/13小川陽太議員)の内容→動画はこちら

市大の軍事研究応募に抗議・要請(4/4)。市大当局から回答(4/28)→こちら

大阪府立大と市立大は4月1日、「新法人設立準備室」を設置した。場所は、阿倍野区旭町あべのメディックス6階。19年に法人統合、22年大学統合、を目指すという。

2016年

12/27第7回副首都推進本部会議で「主な府市連携課題の検討状況」を配布。この中で新大学についての検討状況を報告・確認している。資料は→こちら

大阪市立大学が卒業生からの意見を募集しています。11月末まで。市大全学同窓会を通じて→「新大学についてのご意見はこちら」

9/24「ここが問題!府大・市大の統合」学習会を開催しました。

第5回副首都推進本部会議(8/22開催)で「新大学について―検討経過の報告―」を上山信一氏ら新大学設計4者タスクフォース事務局が資料を提出。→全文はこちら

→動画はこちら

【8/22副首都推進本部会議(第5回)文字起こし】 今回もブラック企業の会議のようでした

《環科研・公衛研まもれ@大阪》さんのブログが会議の様子をレポート→こちら

第3回副首都推進本部会議(4/19開催)で「大学統合に向けた検討体制や進め方」が議題に。動画は→こちら

同会議で配布された資料「府市大学統合について」→こちら

共産党大阪・学術文化委が声明を発表「大阪府大・市大の存続・発展へ力を合わせましょう―学問の自由・大学の自治を尊重して」(16.2.8)→こちら

2015年

市会で中期目標変更を可決 附帯決議「一から幅広く論議」→こちら

「統合計画の白紙撤回を求める」署名は、1月12日、学生たちの手で西澤学長・理事長に2498筆提出されました。

大阪府議会で大阪府大中期目標の一部変更案を可決(2015.12.22)。前日の教育常任委員会は「附帯決議」で「府立大学の今後を左右する重要な判断につながるものであり、拙速に結論を求めるような進め方はあってはならない」。

附帯決議の全文は→こちら    共産党大阪府委員会が談話→こちら

ネット討論 大学統合問題 松井VS栗原→こちら

大阪府議会 松井知事が提出した府立大学の中期目標の変更案は継続審議に。学生の提出した請願書は自共の賛成、維公の反対で不採択に(10/23)

両学長宛に署名運動 「統合計画の白紙撤回を求める」→こちら

栗原貴子・府議が10/9府会本会議で「見せかけの統合という結論を急ぐことがあってはならない」 動画は→こちら 10/9栗原貴子「質疑〜諸課題」

9/25共産党府委声明 「大阪府大・市大『統合』の計画 議会も住民も否決済み 議案提出は許されない」 を発表→こちら

市大の学生が大阪市会に「陳情書」を提出→こちら 記者会見の動画は→こちら

 「陳情書」は10月2日の都市経済委員会で審議され、「継続審議」となりました。→こちら

大阪市経済戦略局が「大学の統合について」を発表(15.8.14)→こちら

大阪市大で、「安全保障関連法案に反対する大阪市立大学教職員有志の会」が安保法案反対の活動を開始しました。
ホームページは→こちら
「安全保障関連法案の廃案を求める大阪市立大学学生有志」が声明を発表し、賛同署名を求めています。
→こちら
7月24日、第1回大阪戦略調整会議が開かれました。橋下市長は、「二重行政」の課題をこの会議で論議して解決すべきと主張しましたが、「二重行行政」の中身が「大学・港湾・研究所・病院」であり、これらの統合が重要な課題であると何度も言い立てました。内容は→こちら 55分くらいが見どころ

都構想住民投票後、これからの大阪の都市計画をどうするのかというシンポジウム「豊かな大阪をつくる〜大阪市存続の住民決断を踏まえて」が、市大を会場にして6回開催されました。

 

  全6回の動画など→こちら

 「市大・府大学生の会」が基本構想の「白紙撤回を要求する」声明を発表2015.6.2→こちら

府大「『大学統合・入試』に係る学長からのメッセージ」5/21→こちら

市大法人が「住民投票結果を受けての本学の考え方」を公表→こちら

市大労組が「見解」を発表。「大学法人には、設立団体の意向におもねった拙速な統合・改革計画など、主体性なき迷走を繰り返してきた過去を断ち切り、改めて示された大阪市民の意思、および学内の民主的な熟議に基づいて、市民の誇りたりうる大学として末長く存続・発展しうる長期的ビジョンを示すよう、強く求める」→PDF

住民投票の結果を受け、「会」が声明を発表→こちら

5/11〜13日、「考える会」は「大阪市解体・住民投票」(5/17)で「反対」を呼びかける杉本町駅前宣伝を実施し、2種類のビラを約1000枚配りました。ビラ「緊急声明」は→こちら  「このままでは・・市大は消滅します!」は→こちら

日本科学者会議大阪支部が声明を発表。「大阪府立大学と大阪市立大学の統廃合ではなく、ともに発展させて、大都市大阪の知性を牽引しよう」→こちら(同支部HP)

「新・公立大学」大阪モデル(基本構想) →こちら

3月5日大阪市会・都市経済委員会で北野妙子議員(自民)が、質問。「大学統合はコストカットの様相が強い。大学関係者の誰もがメリットを感じられ、祝福されるものに」 動画は→こちら 関連部分は18分〜36分

2月27日の大阪市会本会議で、OSAKAみらいの福田賢治議員(旭区選出・民社協会)が、代表質問の中で、府大と市大の統合問題について、質問しています。 →こちら このうち、大学関連部分は、49分〜59分50秒まで。

                        要請署名11492筆を提出                        

2015年6月3日、第2次集約分を提出し、累計11492筆となりました。記事は→こちら

 要請署名「大阪府立大学と大阪市立大学の拙速な統合はやめてください」は知事宛PDF  市長宛PDF

「署名ご協力のお願い」は→こちら

 

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大阪市立大学OB・OGのみなさんへ

11・1大阪市住民投票は「大阪市廃止」を再び否決!

市民の良識と共同の勝利です。ご支援・ご尽力に心から敬意を表します。

11月1日、全国が注視した大阪市住民投票は、大接戦の末、賛成675829(49・37%)、反対692996(50・63%)、その差17167で、大阪市を廃止・分割する「都」構想を再び否決、大阪市存続を決定しました。これは、「政令市・大阪市をなくしてはならない」という“市民の良識”の勝利です。

今回の住民投票では、「よくする会」や「明るい会」をはじめ、「市民の会」や学者・文化人、法曹関係者、医療関係者、町会・地域振興会、SOCS(青年)など、広範な市民による反対運動が急速に広がり、大阪の自治と暮らしを守るために結集した党派を超えたたたかいが展開され、大阪府下・近畿一円・全国から熱い支援も寄せられました。まさに良識と共同の感動的な勝利です。なかでも、卒業生や元教員など多数の大阪市大関係者が活躍したことは私たちの誇りです。あらためてOB・OGのみなさん、ご支援・ご尽力いただいたすべての方々に心から敬意を表します。

住民投票の論戦を通じて、①大阪市の「廃止」か「存続」か、②住民サービスが「良くなる」か「悪くなる」か、③「インバウンド、カジノ頼み」か「暮らし・福祉・教育優先、中小企業応援」か、が焦点になり、推進勢力のウソとゴマカシ、市役所ぐるみの醜い実態がテレビ討論やマスコミ報道でも浮彫りになり、「大阪市を守り、まともな市政に変えよう」という声の広がりが、数億円を投入した「物量作戦」を打ち破り、最終盤の逆転勝利への流れをつくりだしました。

住民投票の結果は、「2度の敗北」を認めた大阪維新政治への痛烈な審判となりました。同時に、今回も超僅差であり、「賛成」した人たちの考えにも思いを寄せ、10年にわたる「対立・分断」を癒す努力が大切だと考えます。

また、住民投票の結果は、国会で維新議員の「都」構想推進の質問に対して「大都市制度の大きな改革」と答弁し、維新と気脈を通じる菅政権にとっても大きな打撃となりました。日本学術会議会員の任命を拒否し、「学問の自由」への攻撃を始め、大学に軍事研究を押しつけ、「改憲」「戦争する国」づくりへの道をすすめようとしている菅政権と、市大・府大「統合」をすすめ、私たちの大学を「軍事研究」に加担させようとする維新政治は、「同じ穴のムジナ」です。今回の住民投票「否決」は、菅政権や維新の政治、また大学「統合」の行方にも必ずや大きな影響を与えるでしょう。

大阪市大の卒業生にとって、設立団体である大阪市の存続が決まったことは大きな喜びです。

私たちは、1933年「京大滝川事件」や1943年「大阪商大事件」の歴史の教訓を思い起こし、「大学の自治」「学問の自由」を侵害し、ときの政権に奉仕する大学づくりへの企みを許さず、今後の国・府・市政の動向、大学「統合」の行方を注視しつつ、暮らしと平和・民主主義、「学問の自由」を守り発展させる運動に、ひきつづき取り組んでいきたいと考えます。

これからも、みなさんのご協力をよろしくお願いいたします。

2020年11月3日          大阪市立大学の統合問題を考える会

 2月21日午後の大阪市会本会議で、「公立大学法人に係る中期目標変更案」が維新、公明の賛成多数で可決された。自民、共産は14日の都市経済委員会での反対を本会議でもつらぬいた。

 自民党・多賀谷市議、共産党・井上市議の本会議での反対討論を紹介する。

自民党・市民クラブ 多賀谷俊史議員の反対討論

統合のために巨額の費用は必要ない

 公立大学法人大阪の中期目標については、2019年の制定当初から、市大と府大の統合の目途を2022年度としていたことから、わが会派は反対してきた。今回の議案では、一歩踏み込んで「新大学を2022年度に設置する」とした中期目標の変更であることから、改めて反対を表明する。

また、キャンパスの再編や整備に取り組む旨も記載されており、森之宮の新キャンパスや既存のキャンパス整備も含め推計1000億円という巨額の費用となるが、キャンパス整備について(中期目標変更案に)具体的な記載がないことは大きな問題だ。さらに、新年度予算においても約5億円ものキャンパス整備のための基本設計費が計上される予定と聞いているが、本来なら、このような設計費用は中期目標の変更案とあわせて議論されるべきだ。先日、森之宮の整備用地を視察したが、周辺にはUR住宅があるものの、ほかは下水処理場やメトロ(地下鉄)検査場、元森之宮ゴミ焼却工場などで、ここにいきなり巨額の費用をかけて新キャンパスをつくるということが本当に良いことなのか、十分に検討されたのか、大いに疑問である。

大学を統合せずに、市大のままであれば、このような巨額の費用をかける必要もなく、そんなお金があるなら、大学の基幹教育整備や研究費に回すことができたはずだ。

また、特別区設置に関する住民投票が賛成多数となった場合、2025年1月には特別区制度に移行することになる。府に移管された現在の特別区民の負担について委員会で確認したところ、現在大阪市が負担している大学に係わる運営費交付金や施設整備改修などの費用を、特別区設置後も、財政調整財源により負担し続けるとのことであった。言い換えれば、市から大学に出資した約1000億円の財産が府へ移管されるうえに、特別区設置後、特別区民は大学に関与できないのに財政調整財源という形でお金だけ負担し続けることになる。まさにボッタくりバー以上(の悪行)ではないか。

さらに、府に財産を移管するというならば、移管時点での価値を市民に対して明らかにするべきであることから、大学の土地、建物の鑑定評価を行うべきだと主張したが、理事者からは特別区への移行に必要な手続きではないことから鑑定評価を実施する予定はないとのことだった。

「二重行政」や「広域行政」という  名のもとに、さまざまなものが府に移管されようとしているが、市民がその正確な価値を把握しないまま府に移管されてしまうのはいかがなものか。これらの財産は市民の財産であり、市長のものでも議員のものでもない、市民のものだ。市民に対して正確な情報を発信することは市長の責務ではないか。

また、出資による権利が府に承継されることによって、特別区に設立団体としての権利は無くなる。1000億円という巨額の投資に対して、運営費交付金は現在の水準のままなのかなど、重要な議論がなされていないまま、いわば議会のチェック機能がほとんど働かないまま、統合が進んでしまうことは誠に残念なことだ。

大阪市が負担してきた運営費や施設整備費などの財源は、財政調整財源の大阪府の配分割合、2000億円の中に入れこまれており、いわば大阪府への配分割合という形で市税が永続的に府に持っていかれることになる。しかも、この移管された財源を大阪府が大学のために使うとは限らない。現在でも大阪府は基準財政需要額を下回る運営費交付金しか支出しておらず、大阪府は市とは大学に対する思い入れが違う。大阪市が特別区となり大学の運営に口出しできなくなったとき、大阪府は財源はそのまま持っていきながら、大学の運営費を削減し、他の事業に回すことがあるのではないか。

以上のことから、今回の中期目標変更案には絶対に賛成できない。

日本共産党 井上浩市議の反対討論

「二重行政」論は破綻、「学問の自由」守れ

 いうまでもなく本議案は、「1法人・1大学」をめざすものである。「1法人・2大学」であれば、2つの大学は元のまま存続することになるが、「1法人・1大学」になるということは、長い歴史と伝統、実績を誇る大阪市立大学、大阪府立大学が廃止されることを意味する。「統合」の名で、両大学それぞれの歩みに終止符を打たんとすることには、まったく道理も大義もなく、とうてい賛成することはできない。以下、具体的に理由を述べる。 

 第1に、大阪市立大学と大阪府立大学の「統合」は、そもそも大学関係者の内発的要求ではなく、決して「二重行政」ではないからである。

2013年1月に公表された「新大学構想」では、「両大学ともに教育・研究水準などは国立の基幹大学につぐポジションをしめている」「公立大学の使命である地域貢献について(それぞれに)高い評価を得ている」と提言している。 同時に、「運営費交付金は公立大学法人後、急激に減少している」と苦言すら呈していた。改革の名のもとに「統合」議論を押しつけられた当初、大学側は設置理念や建学の精神、地域に根差す高等教育機関としての意義と役割を検証する過程においても、大学統合などではなく、基礎的研究に充実や研究者の養成などに対する行政の支援をこそ、内発的要求としていたのである。

 議論を重ねれば重ねるほど、当局は「二重行政のムダ」などとは言えなくなり、「大学統合によって一定規模の大学になる」「少子高齢化、大学間競争の激化へ対応できる」などと、「二重行政」論からの論点のすり替えと、統合理由の後付けに終始して、大学統合議論は今日に至っている。 

 第2に、「大学の自治」「学問の自由」をないがしろにするものだからである。教育基本法は、大学については「自主性、自律性、その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない」とうたっている。2022年度の「開学さきにありき」で学部集約やキャンパス整備は後追いで進めるという逆立ちした統合スケジュールにも、大学統合議論に内発性のかけらもないことが現れている。「大学の自治」とは行政に対する自治であり、「学問の自由」とは行政からの自由である。

「統合」の強引な押し付けは、大学を行政に従わせる「統治」以外のなにものでもない。 

 第3に、都市再開発のために大学を利用し、キャンパス整備等に莫大なコストを費やそうとしているからである。もとをたどれば、副首都推進本部会議での「森之宮地域を民間デベロッパーが開発し、住宅や商業施設と一緒に学舎を建設、そこに大学が入居すればよい」という意見が発端となり、森之宮にメインキャンパスを整備するという方針が打ち出されたのである。大学の将来を真剣に考えてのこととはとても思えないが、この点からも、主役である大学関係者からの発信や切実な要求であることが、いささかも伝わってこない。

 以上、3点にわたって反対理由を述べたが、「大学の自治」「学問の自由」をないがしろにし、「統治」の発想で大学の将来を行政が強引に決めてしまうようなやり方は決して認められない。

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1月25日、大阪市内で府大・市大「考える会」は学習交流会を開催しました。森裕之・立命館大学教授の講演を受け、両「会」の活動報告と提案を次のように行いました。

(講演など集会の内容を冊子にしました→こちら

このたび、前回(2018・7・28)の学習交流会から1年半を経て、府大・市大の両「考える会」主催で4度目の学習交流会を開くことができました。みなさまのご協力に心から感謝します。

この「7・28学習交流会」の内容はパンフレットにして両大学のOB・OGをはじめ関係者の方々に広く配布されました。岡勝人・府立大学名誉教授による「府立大学創立期の学問の自由の気風について」、広川禎秀・市立大学名誉教授による「恒藤恭と学問の自由を考える」という講演は、「改めて両大学の来し方(歴史)を振り返り、両大学の民主的な気風の形成に誇りを持つことができた」「この伝統を守りたい」と大好評でした。

●昨年2019年4月、府大・市大の両大学法人が「統合」、新たに発足した公立大学法人大阪は、さっそく維新府・市政の後押しを受け、2022年度の新大学開学にむけた「新大学基本構想」をとりまとめ、同年8月27日の副首都推進本部会議に報告、審議に付されました。さらに、府・市・法人3者による検討を経て、今年2020年1月、「新大学基本構想(案)」が発表されました。

①「構想(案)」は、「新大学がめざすもの」の項目で「都市課題解決や産業力強化などに貢献する」「2つの新機能」といって、行政機関や企業との連携を義務付け、「選択と集中」が必要だとして、「両大学の同種分野の融合」(統合・再編・リストラ)を迫っています。ここに維新府・市政が押し付ける大学「統合」の大問題があります。最近、IR事業者選定委員会に西澤理事長、市大医学研究科教授、市大工学研究科教授の3氏が就任したのは偶然でしょうか。

②また、「新大学のキャンパス」の項目で、「2025年度を目途に都心メインキャンパスを森之宮に整備」「同種分野の学部(工学部、理学部、看護学部)については、キャンパスの集約化を優先的に進める」。「森之宮キャンパス整備に当たっては、民間活用の検討を行う」「新キャンパス整備に伴う相当額の投資については、合理的な範囲で可能な限り圧縮する」(大学法人の示した事業費推計1000億円は、基本設計を行う中で整備内容や事業費の精査を行い、再検討を行う)としています。

大阪城東部地区の開発計画に、大学キャンパス問題を呼び水にしていいのでしょうか。

③「統合」の背景に、両大学が独立行政法人に移行して以降、府・市が両大学に交付する運営費交付金(国からの交付金・基準財政需要額)が減らされ続けてきた大問題があります。2016年度の運営費交付金は、府大で05年比75・7%(約31億円減、国の補助金を下回る)に、市大で06年比71・7%(約40億円減)に減らされています。両大学とも教職員は大幅削減され、大学の運営資金確保のため、外部資金獲得に追われています。

④大阪市大では、2016年度の防衛省委託研究に応募・採択され、3年間で1億1700万円の研究資金を受け取ってきました。さらに、2019年度にも再び山田裕介教授による「毒ガス関連研究課題」が応募、採択される(19年8月30日防衛省発表)という異例の事態となっています。「技術インキュベーション」機能強化といって、軍事研究に加担する大学になっていいのでしょうか。軍事研究は、教育・研究をゆがめ、憲法の平和原則に反しており、直ちに中止するべきです。

●今年2月の府議会・市議会に「統合関連議案」(中期目標変更案)とともに、新キャンパスの設計や調査に係る費用についての予算案が提案され、審議されます。私たちは、府・市議会が、広く府・市民の意見に耳を傾け、2つの公立総合大学の発展方向や大学予算について、設立団体としての責任ある立場をふまえ、慎重な審議を行なうよう強く求めます。

●2022年度の新大学開学にむけ、「統合・再編」(リストラ)が強行されれば、両大学がこれまで培ってきた伝統が台無しになりかねず、両大学と大学関係者のなかで新たな矛盾や問題点が噴出するのではないでしょうか。

大学改革は、広く府民・市民の意見を聞き、教職員・学生・院生ら大学関係者の民主的議論と合意にもとづき、また「建学の精神や伝統」「学問の自由」「大学の自治」を尊重して行われるべきです。

私たちは、2022年春に予定される大学「統合」に反対し、山積する問題点を大学人、府民、市民に提起していきたいと考えます。また、「大阪市の廃止」に反対し、幅広い共同に参加していきます。

森裕之さんの講演などを収録した冊子「大阪の暮らし、文化の発展に貢献する府立大学・市立大学めざして」は→こちら

 10月18日、軍学共同反対連絡会の西山勝夫氏(滋賀医科大学名誉教授)・井原聰氏(東北大名誉教授)と「軍学共同いらない!市民と科学者の会・大阪」の代表ら7人が大阪市立大学を訪れ、以下の「抗議・要請書」を手交し、大阪市立大学執行部の認識をただした。

 後日、市大から「安全保障技術研究の取扱いに関する審査事項」・教育研究評議会記録・市大憲章等の資料が提供された(安全保障・・審査事項については公表に制限を要請される)。評議会記録には「軍事的安全保障のための研究助成については一律に除外すべき」との意見が出たことが記されている。

 詳しくは→軍学共同反対連絡会ニュースレター№39 →教育研究評議会記録《要旨》H30.1.29 →大阪市立大学憲章

抗議・要請書

大阪市立大学学長

荒川 哲男 様

2016年度に続き、2019年度も防衛省「安全保障技術研究推進制度」に応募し、

採択されたことを厳重に抗議するとともに、直ちに中止・撤回するよう要請します

防衛省は8月30日、2019年度「安全保障技術研究推進制度」の新規採択研究課題について、57件の応募に対して16件(大学2件、公的研究機関7件、企業7件)を採択、そのうち小規模研究課題(タイプA)として大阪市立大学の山田祐介氏による「拡張された細孔をもつ配位高分子を利用した有機リン化合物の検出」と題する研究課題を採択したことを公表しました。

2016年度に応募・採択され、3年間の委託研究を終え、間髪おかずに19年度も応募し、採択されたのは大阪市大・山田氏だけです。前回は、有機分子の吸着・分化する材料の実現で、今回はその延長線上で有機リン化合物の検出に関わる研究課題です。有機リン化合物は、神経・呼吸器系に対する毒性で知られ、第2次大戦下で毒ガスとして多用され、地下鉄サリン事件で使用されたのもその1種でした。山田氏は「残留農薬を検出するツールの研究」と言いますが、ベトナム戦争で米軍が撒いた「最も人道的な兵器」が農薬だったことを想起するべきです。

大学からの応募は、2015年の58件(採択4件)から16年は23件(採択5件)に半減、17年22件(採択ゼロ)、18年12件(採択3件)、そして19年は8件(採択2件、大阪市大と山口大学)に減少しました。多くの大学が、2017年3月に発表された日本学術会議の「軍事的安全保障研究に関する声明」を真摯に受け止め、「軍事研究を行わない」ことを自主的に決め、応募しなくなったからです。

この度の、2016年度に続いて2019年度も応募し採択された大阪市大の口実は、「防衛省の委託研究のすべてが『軍事研究』ではない」「基礎研究であり、公開性も保障されている」から防衛省の委託研究に積極的に応募しても構わないというもので、軍学共同研究への加担を戒めた日本学術会議声明を真摯に受けとめず、その趣旨をねじ曲げる態度であり、とうてい容認できません。大学が一度、軍事研究に加担すれば、教育・研究を歪め、「学問の自由」を脅かす事態につながります。それはまた、「大阪商大事件」を体験した大阪市大の反戦・平和、自由・民主主義の歴史と伝統を汚す愚かな行為であります。

私たちは、2度にわたる防衛省委託研究応募・採択を厳重に抗議するとともに、直ちに受託契約の手続きを中止し、応募を撤回するよう強く求めます。

また、今年6月12日の要請の際、「2019年度は1件の申告があり、2018年度4月に施行された審査制度に基づき審査・承認し、応募している」と回答されましたが、2018年4月に施行された審査制度と審査基準を公表するよう求めます。

私たちは、大阪市大が「2度と『軍学共同』研究を行わない」という立場にたち、そのための審査制度を再検討されるよう強く求めるものです。

   2019・10・18      軍学共同反対連絡会

                共同代表:池内 了・野田隆三郎・香山リカ

                軍学共同いらない!市民と科学者の会・大阪

     大阪革新懇・日本科学者会議大阪支部・大阪平和委員会

8・27副首都推進本部会議での「新大学基本構想」の報告・審議より

 8月27日午後の副首都推進本部会議で、府大・市大「統合」―「新大学基本構想」が報告・審議されました。会議に提出された資料は、①新大学実現にむけた取組み経過(4ページ)、②新大学基本構想(37ページ)、③「選択と集中を忘れない、外部機関との連携を前提とする」大阪府・市 特別顧問 上山信一(8ページ)の3つです。以下、ネット中継を視聴してメモを作成しました。

●はじめに、「新大学実現にむけた取組経過(と今後のスケジュール)」を森理事が報告。

西沢良記理事長が「新大学基本構想」の概略を報告・説明。

 市長・知事が参加される会議で報告の機会を与えられ、お礼を申し上げる。

この「基本構想」は、4月に新法人が発足し、新大学準備推進室を立ち上げ、検討を重ね、役員会

で決定したもの。検討の経過は、理事長をトップに新大学推進会議を設置し、理事、両大学学長・副学長らで、新大学の教育・研究体制の重要方針を検討。詳細な検討については、この会議のもとに担当理事をトップに推進委員会を設置、さらに詳細を検討する30のワーキンググループで、多くの教職員も参加して検討した。検討内容については両大学で共有し意見交換、府・市の担当部局とも新大学設置準備会議を設置して協議をすすめてきた。この報告は、法人での検討を経て、経営審議会など外部委員や両大学内の意見もふまえてとりまとめ、本日、府、市に提出したもの。以下、基本構想の概略について報告する。

基本構想の構成は、1はじめに、2策定の背景、3新大学がめざすもの、4統合効果を発揮するための取組み、5大学統合による効果、としている。

順を追って説明する。1ページ、これまでに「新・公立大学」大阪モデル及び4者タクスホース報告書「2つの機能・戦略領域」を、さらに具体的内容としてとりまとめた。2ページ、統合の必要性、3ページ、改革の経過。4・5ページに、新大学がめざすもの。新大学では大阪の発展をけん引する知の拠点として、世界に展開する高度研究型大学をめざし、国際化やダイバーシティに積極的に取組むことや、「都市シンクタンク機能」「技術インキュベーション機能」という新たな機能を加え、「スマートシティ」など4つの戦略領域を中心に取り組んでいく。5ページに、「2つの機能」と「4つの戦略領域」を説明しており、つづいてプロジェクト例を紹介している。6ページ、都市シンクタンク機能を支える体制、7ページ、技術インキュベーション機能を支える体制、9ページに、行政などの各種ビッグデータを一元的に管理・解析・活用するためのデータマネジメントセンターを設置し、行政や企業、地域とのプラットホームを構築すること。都心キャンパスの森之宮は、スマートシティの実装の可能性のあるエリア、新大学としても大阪城東部の街づくりに参画したい。10ページから、統合のシナジー効果を発揮する実例、防災・減災、都市基盤、地域社会、などを列挙。

20ページから教育、研究に関すること。21ページに教育の全体像、基幹教育の理念と内容、教育科目を示す。22ページに基幹教育機構の設置を明記。英語教育。22年の開学時での基幹教育は既存キャンパスで、25年には森之宮キャンパスで行いたい。23ページは研究、24ページは社会貢献、25ページは国際化、26ぺージに強化ポイント、参考に世界ランキング向上の取組み。27ページは教育研究組織、新大学では同種の分野を1つに集約し、新たに情報学研究科を設置、農学部・研究科、獣医学部・研究科、看護学部・研究科を独立(1学域・11学部、15研究科)。28ページに情報学研究科の新設、29ページに現代システム科学についての詳細。30ページは教育研究組織の主な特徴を。

31ページは、ガバナンス改革、これまでさまざま取組んできたが、今後も重要と認識、教育研究体制の改革、大学運営システムの抜本改革、職員の戦略的人材養成にとりくむ。32ページにこれまでの取組み実績。

33ページ、新大学のキャンパス整備について。森之宮キャンパスを含む2025年度のキャンパス構想を記載。森之宮メインキャンパスには、基幹教育、文学部、リハビリ学、生活科学部、阿倍野は医学と看護、杉本には理学と社会科学、中百舌鳥には工学、農学、現代システム、情報学、りんくうには獣医学、梅田サテライトに都市経営。事業規模は推計1000億円(財源はキャンパス一部売却)、

1期としているが、新大学の最終形は、中長期の街づくりと連動して検討していく。キャンパス整備が段階的とならざるを得ないので、実験設備、ライブラリー、移動などの課題があるが、教育研究に支障が出ないようにしたい。府、市と連携したい。新大学に向けた施設整備、スケジュールは大変厳しくなっているので府、市のご協力を。

34ページ、大学統合による効果。35ページは新大学が重点的に取組む指標向上の目標。36ページ、新大学の数値を合計したデータで、学部入学定員数は国公立では大阪大、東京大に次ぐ3位。3位にふさわしい大学になるよう努力したい。ご協力を。最後の37ページは、統合の取組経過をまとめたもの。今後、20年秋に文科省への設置認可申請、22年4月の開学に向けて法人として全力で急ピッチで作業をすすめていきたい。

この基本構想は、新たな良い大学、選ばれる大学、大阪、世界に貢献できる大学をめざして法人としてまとめたもの。今後とも、ご支援・ご協力を願いたい。

上山信一・特別顧問が、「選択と集中を忘れない、外部機関との連携を前提とする」という文書を紹介しながら発言。

 大学統合には、これまでいろんな形で参加してきたが、「基本構想」(素案)がまとまって大変よかった。とくに、「2つの新しい機能」(10ページから)について、スマートシティの具体的研究の中身だとか、パブリックヘルス、認知症など、どういう分野を中心にやるのか、2つの新しい領域について相当研究された痕跡がうかがえる。実に喜ばしい。

 新大学の構想がでたのが2013年、その後、両大学の改革努力があり、新法人になり、いろいろ変化してきたが、できたこと、まだできていないことがある。できていない部分を先回りして書いたのが、この資料。表題に、説教がましく書いたが、ほっとくと横並びになってしまう。両大学とも、似たような規模の立派な大学なので、ほっとくと何でも対等、横並びになりがちだ。なので、「選択と集中を忘れない」ことが大事だ。それから規模が大きくなると、なんでも自分たちで出来てしまうと思いがちだが、グローバルな大学間競争にてらして、もっと大きな大学は山ほどある。その意味で「企業や行政との連携を忘れてはいけない」、そういうポイントを書かせていただいた。

 今回の基本構想は法人としての案であり、今後、大阪府・市も入って、ブラッシュアップし検討してほしいこと、特に知事・市長に申し上げたいことが4点ほどある。1つは、2つの新機能、従来型の教育、研究以外の社会貢献の部分、「都市シンクタンク」と「技術イノベーション」の部分を作っていくことが新大学の最大の意義だと思うが、その際、選択と集中を相当考える必要がある。新しい機能のなかの選択と集中は相当考えられているが、既存の学部の再編とか、重複分野の統合については、なかなかやりにくいので後回しになってしまうのではないか。そこを統廃合して「人と金」を捻出しない限り、すべてのことを広く薄くやることになって、いまより手薄になってしまうリスクがある。資料3ページに、2013年の「新大学構想」(矢田座長)で「選択と集中の視点から、重複部分を統合・再編する。そこから生み出された資源を、強みを生かせる分野に集中投入する」とあるが、こういうメリハリが大事。今回の構想には、ここが見えない。新分野のところではメリハリづけができているが、従来型の大学の部分にどういうメリハリつけてゆくのか、なかなか書きづらいのか、全部書くべきでないのかもしれないが、ここがよく見えない。この分野はやらない、この分野に「人と金」を張り付けるとか、法人の経営の意思をしっかり示す必要があってしかるべき。

(2つめ)そうやっても足りない部分、ノウハウも金も人も、足りない部分はいっぱいあるので、外部機関との連携をもっと探求する必要がある。府大と市大が仲良くやるのが連携ではない。世の中どんどん動いているので、企業や行政と連携していかないと進まない。一番重要なのは、外部からの人材登用、若い先生の登用、企業出身者を幹部に登用すること。2つのちがったものが交わることもいいのだが、それだけでは世の中をつきぬけるところまで到達しない。大昔は、「2重行政の廃止」みたいな観点からスタートしたのだが、世の中の動きが早くて、重複の排除どころか、新しい機能の探求というところまで課題がシフトしているので、企業や行政との連携が肝になってくる。

(3つめ)その応用問題として、森之宮キャンパス。事業費1000億円と書いてあるが、そんなにかかるのか精査が必要だ。これは従来型の公共事業の発想での試算でしかない。例えば、校舎建設とかにコンセッションとか、PFIが使える時代になっている。キャンパス全体、エリア全体を大学だけで管理する必要もなく、エリア全体はデベロッパーが開発して、住宅や商業施設があっても構わない。海外では大学自体がデベロッパーみたいなことをやっているが、そんなことができないのなら、民間デベロッパーがエリア全体を開発して、校舎に大学が入居することにすればよい。そうすると1000億円もいらないし、投資したお金にプラスアルファで新しい形で収入をもたらす、あるいは土地の価値を高めてゆく開発をする。駅からの導線とか容積率のみなおしをやるべき。従来型の公共事業は時代遅れだ。

(4つ)シナジー効果について、まだまだ研究しなければいけないが、数値目標までは書かれていない。ともすれば、2つ足したら神戸大学並み、というところで思考停止になっている傾向があるので、足したらデカい、凄いというところで話を終わらせてはいけない。神戸大の規模をもったら、質的にどれくらい凄いことになるのか、具体的に探求していかなければならない。

あと1か月くらいあるので、府、市、法人の3者で磨いていただきたい。

●このあと意見交換。

松井市長―上山顧問からお話があったが、森之宮計画については、大阪市の全体計画があるので、上山提案も含めて、高橋副市長のところで、森之宮地域にどういう形で大学を構えれば効率がよいのか、大学がどう費用負担するのか、検討してくれますか。

高橋副市長―上山顧問がおっしゃったように、事業費1000億円を圧縮するために民間との連携が大事。関係者と森之宮全体の絵をかいて、近隣の企業者と相談したい。企業者が参入しやすいように容積率をどのように緩和するのが大学と相談したい。

松井―2025年にキャンパス設置に間に合うように工程表を作ってください。大学側にも、府・市におんぶに抱っこだけだはなく、いますぐではないが、応分の負担を求めていきます。府と市の負担、大学法人の負担を求めますので、その費用をどうねん出するか考えてもらいたい。

西沢―相談させていただきたい。ただ、民間が入るには、いま予定しているキャンパスが狭くなってしまうので、民間が入りにくくなる。もう少し広がると助かります。

松井―容積率がひろくなるよう、高橋副市長のところで考えてもらいます。

西沢―ありがとうございます。

吉村知事―森之宮にメインキャンパスという場合、入ってくる企業と一緒に考えることになると思うが、なぜメインキャンパスにその学部を設置するのか考える必要がある。高橋さんところで検討するにしても、なぜこの学部なのか、答えが要る。もっと突き詰めると、なぜ我々が大学を持つのか、それは大阪の発展のためであり、都市シンクタンク・技術インキュベーション機能をもった大学をめざしている。メインキャンパスにどの学部が、どういう理由で入るのか、検討を深めてほしい。あと、上山先生がおっしゃった、足し算だけでなく引き算が大事で、引き算はむつかしいが、経営の判断が大事だ。同じように重なっている部分と、1足す1をそのままにしない、経営者として大変なことだが、やならいとダメだと思う。その基準は公立大学の役割、理念にてらして考える。改革は「痛みをともなう改革」も考えなければいけない。

西沢―新法人になったばかりで、両大学のすべてのことができているわけでない。これまで、両大学で検討してきたので、引き算は難しかったのではないか。今回、1法人になったので、そういったことをふまえながら新大学を想定しなければと思う。来年10月の文科省への新大学設置の申請をだす際に、教育組織の組織票を提出しなければならないので、そのことも踏まえらがらやる必要がある。(引き算を)すぐにというわけにはいかないが、構想は考えておきたい。

荒井副知事―大阪の成長に資するとか、森之宮キャンパスのこと、スケールメリットだけではダメだとか、上山顧問や西沢理事長の言いたいことの背景を考えて、府も市もいっしょに考えていく必要がある。大学から出していただいた基本構想を、役所にしかできないこともあるので、いっしょに考えていきたい。岡本部長よろしく。

西沢―これは大学としてのクレジット版です。これから府・市・法人3者のクレジット版にしてゆくものと認識している。

松井―先の堺市長選挙の時、「中百舌鳥キャンパスがなくなる」というデマ宣伝がやられたが、「中百舌鳥は工学部、農学部の拠点になる」と反論した。新大学は堺市にも貢献することになる。オブザーバー参加の堺市長も一言どうぞ。

永藤堺市長―大学統合が、ようやくここまで来たのかと感慨ふかく、期待している。中百舌鳥に工学部、今回、情報学部も新設していただけると喜んでいる。堺市としても新大学に貢献していきたい。中百舌鳥駅には堺市の産業施設もあり、その在り方、活用、連携、学生たちの受け皿になるよう考えていきたい。

吉村―高橋副市長を中心に、森之宮の街づくり構想が重要なキーになってくると思うので、高橋さん中心に団結して、メトロ、JRとも連携してすすめてください。

高橋―森之宮スマートシテイの中で大学はどうあるべきか検討したい。

西沢―森之宮地域でスマートシテイの具現化を考えていきたい。

●最後に、府大・市大の統合については、大学法人が提案した「新大学基本構想」を、本部長(吉村)、副本部長(松井)の意見・指示も含めて、府、市、法人の3者で、精査し、成案化にむけた検討をすすめていく、と確認された。

→会議の動画2:00以後が大学問題  →新大学基本構想

 「軍学共同いらない!市民と科学者の会・大阪」は6月12日、大阪市大が2016年度の防衛省「安全保障技術研究推進制度」に応募、採択された「有毒ガスを吸着・分解する材料の研究」が3年の契約期間を終了した機会に、「2度と『軍学共同』研究を行わない」と態度表明するよう荒川哲男学長あてに要請しました。

 ところが、荒川学長の「回答」は、「2019年度は1件の申告があり、2018年度4月に施行された審査制度に基づき審査・承認し、応募している」。研究支援課長によると、「2019年度の応募内容については、(防衛省によって)採択されるかわからないので公表できない」、「2018年4月に定めた審査制度については、大学内規だから公表できない」というまったく無反省・無責任なものでした。

 再び防衛省研究に応募しながら、研究課題も審査制度も公表しないという態度は、「大阪市立の公立大学として、市民に対する責任放棄ではないか」という私たちの抗議によって、研究支援課長は、2018年4月に定めた審査制度とは「学術研究推進本部のもとに『安全保障技術研究等審査委員会』(教員5人、事務2人)を設置」、「審査の基準は、『軍事研究』ではないこと、『公開性』が保障されていること、進捗状況を管理し問題が起これば中止する」という内容だと説明しました。

 私たちの抗議・要請を通じて、大阪市大が2018年4月に定めた審査制度の内実とは、軍事研究への加担を戒めた日本学術会議声明(2017年3月)に背き、「どんな研究であっても『軍事研究』に応用されることがありうる」「防衛省の委託研究のすべてが『軍事研究』ではなく、公開を原則としている」(研究支援課長)という考えで審査し、防衛省委託研究への応募・受託を積極的に推進するものであることが、あらためて明瞭になりました。

 私たちは、反戦・平和、自由の伝統ある大阪市大が軍事研究に加担すれば、大学の社会的信用は地に落ちてしまうと抗議し、「2度と『軍学共同』研究を行わない」立場にたちかえり、審査制度を再検討するよう強く要請しました。

 要請行動には、大阪革新懇代表世話人の鰺坂真氏、大阪革新懇事務局次長、大阪平和委員会事務局長、日本科学者会議大阪支部事務局長、市大卒業生3人の各氏が参加しました。

 詳しくは、軍学共同反対連絡会ニュースレター№34→こちら

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「どうなる?府大・市大の統合 学問の自由と大学の役割」が発行されました。→こちら(1部資料が掲載されていません)

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内容

 消えた(消された?)第1学生歌―大阪府立大学創立期における学問の自由の気風についての仮説                      

岡 勝仁さん(大阪府立大学名誉教授)

 恒藤恭と「学問の自由」を考える―「世界苦を克服する世界苦」の思想

広川禎秀さん(大阪市立大学名誉教授) 

声明(2017年12月〜18年2月) 大阪府・市議会の議事にかかわって

 12月12日に大阪市会で、19日には府議会のいずれも本会議で22年の統合を目指すという公立大学法人大阪(19年4月発足予定)の「中期目標」案が可決されました。市会での議論を紹介します。

125日に開かれた大阪市議会・都市経済委員会で、継続扱いになっていた議案「新大学法人に係る第1期中期目標の制定について」が審議され、維新・公明が賛成、自民・共産が反対、賛成多数で可決されました。各党・会派の質問(要旨)を紹介します。 

●維新の会・徳田市議 

①「中期目標」案には「2022年度を目途に大学統合の準備をすすめる」と統合期日を明記している。大学統合は両大学と緊密に連携して取り組み必要があるが、統合時期について、大学側の意見を聞いていたのか。

小林・大学支援担当課長――「地方行政独立法人法」の定めにより、20161月も今回も大学の意見を聴取している。

②新大学のキャンパス整備について、「森之宮に共通キャンパス」と質疑されているが、府立成人病センター跡地に新キャンパスを開設するとすれば、いつ頃に実現できるのか。

 小林課長――府は、成人病センター跡地について3つに分けて活用案を求めている。成人病センター跡地を活用するとすれば、府が現建物を撤去して跡地を引き渡すとして、最も早くて2024年、そこから着工するとして一定期間が必要となる。

③森之宮に新キャンパスを開設するとすれば20267年となるわけだ。新大学の開学時に、共通教育は同一キャンパスでという考えについて。関西の主要大学はどうなっているか。

 小林課長――京都大、大阪大、神戸大は複数キャンパスがあるが、共通教育は同一キャンパスで行っている。兵庫県立大や関関同立は複数のキャンパスで共通教育をやっているところもある。

④吉村市長は、将来的には共通キャンパスが望ましいが、新キャンパスができていなくても新大学を開学するといっている。新大学に向けた大学側の検討状況はどうなっているか。

 小林課長――新大学のキャンパス計画については、学部・学域、教育研究組織の検討とともに、両大学が理事長予定者とも協議しながら、2022年を目途とする新大学の全体構想案を検討中。キャンパスの集約化や都心キャンパスについては、市長の考えも踏まえ中長期的に検討する。

⑤魅力ある新大学、大学間競争が激しくなるなかで、選ばれる大学めざして価値を高めること。

市大・荒川学長は「統合によるシナジー効果で、高い教育研究レベル、日本最大の公立大学に期待」、府大・辻学長は「少子化が進むもとで、教育研究の幅を広げることが大切。統合によるスケールメリットに期待」と歓迎している。新大学設立はスピードも大事。2022年を目途に、ブレずに必ずやり切ってほしい。

●自民党・山本市議

①「森之宮キャンパス」には困難が多く、市長も「将来的には・・」とトーンダウンしており、開学時に森之宮キャンパスは実現できない。現行の杉本、中百舌鳥など5つキャンパスで新大学を開学すれば、これで統合したといえるのか。看板を付け替えるだけならないか危惧する。なにをもって「優秀な学生・研究者が集まり、大阪を牽引する大学になる」というのか。

 小林課長――大学が検討している新大学構想は、キャンパスなどのハード面とともに、優秀な学生・研究者を集める、目玉となる教育・研究のソフト面を検討、都市シンクタンク機能、技術インキュベーション機能、魅力ある大学を構想している。

②同じ答弁ばかり、具体的な中身がない。これでは、優秀な学生も研究者も集まらない。現時点で何も示さず、構想も大学任せ、これまでと同じ回答にあきれるばかりだ。キャンパス計画、地元対応、財源問題、府・市の財政負担、すべてが先送り。これでは、まともな議論ができない。今後3年間で、すべてを具体化することなど、とてもできない。こんな状況で、「2022年を目途に統合」を明記する「中期目標」には、とうてい賛成できない。中身なしに期日だけとは異常だ。「2,022年」を変更しないのか。

 小林課長――大きな事業を関係者が気持ちを一つに取り組むために「中期目標」を決める必要がある。「中期目標」は、統合の準備をすすめることを指示しているが、大学統合を決定するものではない。新法人のもとで新大学の姿を固め、議会に諮ることになる。議会での審議をとおして魅力ある構想にしたい。2022年を目途に、まずは統合準備をすすめたいと考える。

③「中期目標」はそんなに軽いものか。拙速に進めば、積み上げてきた府大、市大のブランド価値が下がってしまう。スケジュールがつまずけば、2022年統合は不可能になり、大学ブランドが地に落ちる。見通しをしっかり立ててからすすめるべきではないか。後世に禍根を残してはならぬ。

●公明党・島田まり市議

1025日の私の一般質問で、市長は「学部・学域の再編、キャンパス計画などについて、新法人設立後、すみやかに議会に示すために、年度内には取りまとめるよう、改めて大学に指示する」と答弁いただいた。新大学の絵姿は2019年以降に示されることになる。2022年に新大学開学するには、受験生のことを考えると、2019年夏には受験要領を示す必要があり、文科省の承認を得るには202010月までに一連の具体化を図る必要がある。こんなタイトなスケジュールをいったいどうしてすすめるのか。

 小林課長――新大学の姿は、新法人発足後すみやかに議会に示せるよう、新理事長予定者も入り、教育研究のあり方、キャンパス再編などを検討中。議会に示す案は、両大学と府・市がまとめて提案する。大学統合関連の議案は2019年度中に議会にはかりたい。入試関連についてもできるだけ早期にすすめたい。

②大学統合については、20161月「中期目標の変更」を議決した本議会で「プレゼンス向上がなければ統合の意味がなく、結論のみ求めることがあってはならぬ」という付帯決議を全会一致であげた。拙速に統合ありきですすめることは、断じて認められない。議会の承認にあたっては、統合よるプレゼンスが向上し、優秀な学生が集まる魅力ある大学になり得るのか、事業費や財源問題など、丁寧な説明と慎重な議論が必要だ。議会承認がなければ2022年開学はできない。2022年の期日にこだわると、かなりの支障が予想される。市長はどう考えているのか。

 吉村市長――優秀な学生・研究者が呼べるように、教育研究の新たな分野、中長期的なキャンパス集約化、都心の拠点化など、新大学の全体構想を示すよう指示している。大学からの構想案をまとめて議会の承認を得なければならない。理解がえられなければ統合をすすめられない。まずは、2,022年にむけて新大学の準備を進めたい。議会の指摘に真摯に対応し、理解を得られるようにしたい。

「議会の指摘に真摯に対応し、理解を得られるようにしたい」という答弁は、2022年開学が困難と判断される状況なら柔軟に対応する、とうけとめた。本来なら、いまのタイミングで新大学発足時期を見直すべきと思うが、新法人からの計画案が議論の出発点ということなら、具体案をふまえて、開学時期を最終判断するよう市長に求めたい。わが会派もしっかり議論し、判断したい。市長には情勢を的確に見定め、早急に判断されるよう要望する。

●共産党・小川市議の意見表明

  統合にむけ、どんな大学をつくるのか、具体的な提案がないまま、法人統合が議決された。さらに、今回「2022年度を目途とする両大学の統合による新大学にむけ準備をすすめる」と期日を明記した「中期目標」を盛り込もうとしている。

市大、府大は、それぞれに歴史を刻み、歴代の教職員、学生、卒業生など、多くの関係者の思いや経験、伝統が積み重なって今に繋がっていると思う。ところが、新大学の姿を示すことなく、先日の法人統合、つづく今回の「中期目標」の決定は、大学関係者をはじめ多くの市民の目の届かないところで、政治主導で(統合を)強行するものであり、決して市民に理解されないだろう。

実際、2022年に新大学をスタートさせようとすれば、市の計画表によると、2019年4月に新法人がスタート、7月頃には学部・学域・学科、大学院の構成と定員、大学・大学院における学位授与の方針、教育課程の編成や実施方針、入学者受入れの方針、3ポリシーの方針策定、カリキュラムと教員配置、卒業までの時間割シュミレーション、キャンパスの計画、大学及び大学の学則、履修規定など多くのことを決め、夏には入試科目なども公表する必要があると書かれている。学部・学科の構成を決めるとは、どの学部・学科をなくすのかという、いよいよ大学リストラの具体像を示すことになり、大きな問題が噴出するだろう。

  行政が強権的に大学統合をすすめれば、大きな軋轢を生むことになる。大学の全体像も示さず、見切り発車で既成事実を重ねていくようなやり方は、関係者のみならず、市民的・府民的にもおよそ理解が得られない。そもそも大学統合は、「二重行政の解消」という議論から始まり「府・市合わせた運営費交付金が200億円は多すぎる」といっていたものが、いつの間にか「いい大学にしていく」「大学間競争に打ち勝つための大学統合」「18歳人口が減少するなか、選ばれる大学になるための統合」と、あれこれ言い出した。

現在、市大・府大とも募集倍率は高水準にあり、歴史と伝統ある公立総合大学として、比較的安い学費で学べる高等教育機関として十分にその役割を果たしている。いい大学をつくるというのなら、運営費交付金の削減をやめ、歴史と伝統を重ねてきた市大・府大それぞれの大学自治に導かれた意思を尊重し、公立総合大学として発展させるための支援こそ求められている。

大学統合の本質は「大学リストラ」であり、断じて認めるわけにはいかない。大学関係者と市民を蔑ろにする大学統合に突き進む本「議案」には反対である。

●各派の態度表明のあと起立採決

  維新の会、公明党が賛成、自民党、共産党が反対、賛成多数で委員会は可決した。

    大阪市議会・都市経済委員会で、議案「公立大学法人大阪 

    に係る第1期中期目標の制定について」は継続審議となりました 

 昨年(2017年)11月府議会と本年2月市議会で、両大学法人を統合して新大学法人をつくる「2019年新法人設立」議案が可決成立したことから、この87日に「第1回公立大学法人大阪運営協議会」が開催され、協議会委員に知事と市長、府民文化部長、経済戦略局長の4人を専任したうえ、協議会の運営、「第1期中期目標案」などが検討されています。この協議にもとづき、9月市議会と府議会の両議会に公立大学法人大阪に係る「中期目標案」議案が提出された(市会は9月12日)ものです。

 919日、市議会都市経済委員会で、大学統合に関する議案「公立大学法人大阪に係る第1期中期目標の制定について」が審議されました。 

●維新は、新大学へのスケジュールや「2つの機能強化」について質問、「ぶれることなくやってください」と統合推進を表明しました。 

●自民党は、これまで「統合による新大学の全体像」も「新大学にかかる必要コストと府・市の負担割合」も示されない「議案」には賛成できないと言ってきたが、これまでと何も変わっていないと批判。議案に保留を表明しました。 

●公明党は市長質問。2月の委員会で取りざたされた“森ノ宮キャンパス”の具体化状況を質問、吉村市長は「森ノ宮キャンパスは、将来的に(大学法人で)検討される問題で、新大学の(必要)条件ではない」と逃げの答弁。また、「2022年に新大学」というが、文科省との事前相談と承認申請、教育研究組織の検討、キャンパス問題、新大学の募集要項、入試準備など問題が山積しているのに、わずか3年余で本当に新大学が実現できるのかと疑問を投げかけ、「準備が間に合わないなら、開学を延期してはどうか」と迫ったが、市当局は「新法人のもとで具体化、推進されるもの」と無責任な答弁に終始。公明党も議案に保留を表明。 

●共産党は、「新法人に係る第1期中期目標」案が提案されたが、党はかねてから、大学からの内発的要求ではなく、政治主導(押し付け)の大学統合に反対だ。統合・新大学の具体案は何も示されず「統合ありき」だ。2022年の期限を削除するべき。「大学間競争に打ち勝つ強い大学」というなら、両大学の予算を増やし、学費を下げ、誰もが学べる大学にするべきで、「統合」は両大学の教育研究の力量を低下させてしまうと、議案に反対しました。 

●こうして委員会は、各会派の態度表明から賛成が過半数に満たず、採決されず、継続審議となりました。

各会派に要請

 市会の開会に際して、18日、両「考える会」代表が大阪市庁舎を訪れ、各会派にー―「2022年度を目途とする両大学の統合による新大学の実現」に同意できません。「公立大学法人大阪に係る第1期中期目標の制定」議案について、徹底審議をつくし、拙速に採決されませぬよう要請します。――とする要請文を手交しました。要請文は→こちら

7月28日統合問題学習会 (002).jpg

7月28日に開かれた「統合問題を考える学習」で仲本世話人が行った「活動報告と提案」を紹介します。

1)府大・市大の両考える会が、このI-siteなんばで府立大学名誉教授の小林宏至先生と立命館大学教授の森裕之先生を講師に「統合問題を考える講演会」を開催したのが、4年前、2014518日のことでした。前年201311月の大阪市会での「統合議案」の否決をうけて「府大・市大の拙速な統合はやめてください」という署名運動に取組む最中での講演会でした。20149月にはそれぞれ1万筆を超える署名を府知事・大阪市長に提出、議会各会派へも要請しました。そして、翌155月の大阪市住民投票で「都構想」は否決されたのです。このとき、大学「統合」は断念されるべきでした。ところが、11月の知事・市長ダブル選挙で維新が巻き返し、「統合」問題が再浮上するという経過をたどりました。 

  市会で否決された「統合」は、それまで橋下市長が上から強引に進めてきた方向性から、「両大学が主体的に検討」という体裁に変更して、議会での承認が企まれてきました。しかし、その実態は、上山信一特別顧問をはじめ、維新首長の後押しを受けた両大学の学長らが主導する「統合」計画であることはあきらかです。私たちは、169月に学習会を開催し、桜田照雄阪南大教授の講演をパンフレットにして、私たちの望む大学像を提案しました。 

2)昨年、20179月の府・市議会に両大学の「法人統合」議案が提出され、ひとつの山場を迎えました。この時、私たちは大阪市議会に「法人統合の中止を求める陳情」書を提出し、知事・市長と両議会への要請を行いました。大阪市議会では、新大学のキャンパス問題や予算問題で、自民・公明両党が保留、共産党が「内発的な統合ではない」という理由で反対したため、いったんは可決の見通しが立たない状況が生まれました。一方、112日の府議会で、自民党が「1法人・2大学が最善」と賛成にまわり、維新・公明・自民の賛成で「法人統合」議案が可決してしまいます。この時、大阪市会ではまだ「統合」に慎重な意見が多数を占め、継続扱いで2018年を迎えました。 

ところが、182月市議会で、公明党がキャンパス問題や財源問題で市長にすり寄る質問を行い、「森之宮に新キャンパスを検討」という唐突な市長答弁を受けて、一転、公明が賛成にまわり「法人統合」議案を可決させてしまいました。この時、自民・共産の2党が反対の討論をしましたが、何の裏付けもない思い付きともいえる「提案」によって、大学という知の伝統を危うくする行為は絶対に許せません。 

3)こうして、20194月に「公立大学法人大阪」が新しく発足することになります。この新「公立大学法人」設立は、「新大学への移行をより円滑にすすめるため、まず法人統合を実現し、その後大学統合をめざす」という方針であり、知事・市長が任命する新理事長が「ガバナンスの強化を図り、選択と集中の視点から構造的な改革及び資源の効果的な活用を行えるよう、経営を一元化する」と明記しており、大学の自治を踏みにじり、反対の声を押さえつけ、“大学リストラ”を本格的に進める企てです。 

 維新府市政によれば、市大・府大の「統合」計画は、20194月新法人設立、20224月新大学発足となっており、20202月の府市議会で「大学統合関連議案」を審議、さらに20219月に「定款変更の統合議案」を審議、文科省、総務省の承認などが予定されていますが、計画通りに進む保障はありません。大学関係者から「あと1年で、両大学の法人運営を一本化するのは難しい、新法人が発足しても実態はいまのままではないか」という声すら聞こえてきます。新大学にむけたキャンパス問題や予算問題もこれからの検討であり、実際に、学部や学科の統廃合の具体化検討がすすめば、両大学間、大学関係者間に新たな矛盾や問題点が噴出するでしょう。 

2019年には府・市会議員選挙、知事・市長ダブル選挙もたたかわれます。この選挙で維新勢力を少数に追い込めば、「統合」計画ストップの可能性が生まれてきます。 

4)私たちは、統合問題が持ち上がって以来、「2重行政論」「200億円無駄論」など橋下・松井維新がふりまいた俗論を退けてきました。いまでは彼らの公式の議論からもなりを潜めていますが、「都構想」の実績イメージつくりには利用されています。

  最近、国立大学の統合が話題に上っています。少子化への対応のように報道されていますが、2004年の国立大学の独立行政法人化を起点として、運営費交付金が年々削減され、それも政府の要求に沿うように誘導的なものになっており、各大学が財政的に苦しくなっていることが原因です。これに、軍事研究資金という“甘い罠”も用意されています。大阪市大が防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」に応募、採択されたという事実は、決して偶然ではないと思います。医学・理工系を重視した新大学の構想など、彼らが描く新大学の姿は、安倍政権が目指す「戦争する国づくり」に貢献する大学への最先端を行くものではないでしょうか。二つの総合大学をスクラップして、ひとつにしてしまう。1+1が2未満になる、中身も時の権力の言うがまま、きな臭い研究が大手をふるう、という事にならないでしょうか。

5)大阪での大学をめぐる攻防は、全国の「統合」問題の試金石になりかねません。来年春に府大・市大の両法人が解散し、新法人が設立される予定です。新法人の理事会のメンバーはどうなるのか、府大・市大の伝統は守られるのか、しっかり注視する必要があります。

伝統については今日の講演で改めて確かめたところです。また、皆さんのなかで自身の大学生活をあわせて思うところは様々だと思います。ただ、両首長・理事会・学長などごく少数の人たちに府大・市大の行く末(将来)を任せるわけにはいかないではありませんか。大学の自治とは何なのか、だれのための自治なのか、大学の理念はどういうものなのか、学内の教職員・学生はもとより同窓生・地域の方々など、幅広い人たちの関与で、両大学の存続と発展を要求していきましょう。

今日の講演の内容をはじめ両大学の関係者の声をパンフレットにする計画です。統合問題は、未解決の課題が山積しており、これから正念場を迎えます。学内の議論を応援し、おおいに関わっていきましょう。

声明 

維新・公明による大学「法人統合」ゴリ押しに断固抗議!

「統合」計画の中止、2大学の存続・発展を求めます 

 2月23日の大阪市議会で、継続扱いとなっていた「市大・府大法人統合」議案が、維新、公明の賛成多数で可決強行されました。私たちは、吉村市長が突然もちだした、何の実現可能性も担保もない「森ノ宮地域に新キャンパス」というリップサ―ビスをもって、一転賛成に回った公明党の裏切りに断固抗議します。あわせて、「統合」反対を貫き、大学関係者や私たちの思いを代弁していただいた北野議員(自民)や小川議員(共産)に感謝を申し上げるとともに、引き続き、道理のない大学「統合」中止へのご尽力をお願いいたします。

 このたびの「法人統合」は、「新大学への移行をより円滑にすすめるため、まず法人統合を実現し、その後大学統合をめざす」という方針であり、知事・市長が任命する新理事長が「ガバナンスの強化を図り、選択と集中の視点から構造的な改革及び資源の効果的な活用を行えるよう、経営を一元化する」と明記しているように、大学の自治を踏みにじり、反対の声を押さえつけ、“大学リストラ”を本格的に進めることが狙いです。2019年4月に法人統合、2022年4月に新大学発足の「統合」計画をゴリ押しすれば、矛盾や問題点が噴出することは必至です。

 府大・市大の2つの公立総合大学は、比較的安い授業料で高等教育の場を提供する府市民共通の財産であり、「統合」は受験生の選択肢を奪うばかりか、府市民にとっても子や孫の学ぶ場が奪われます。市大・府大は創立以来、大阪の“知の拠点”として、経済・文化・科学技術の発展に貢献し、運営費交付金の減額、教職員の削減という厳しい状況下でも創意工夫と努力によって、公立総合大学としての役割を立派に果たしています。「統合」すれば、互いの歴史と伝統、「建学の精神」が損なわれてしまいます。

 人口100万人以上の11の大都市で、大阪の国公立大学数(4)は、東京、北海道、愛知・福岡、京都、兵庫・広島につぐ第8位であり、もし「統合」されれば、今でも貧困な大阪の知的インフラが全国最低水準になってしまいます。

 私たちは、道理のない「統合」を直ちに中止し、両大学を存続・発展させることを強く求めます。府大・市大の発展方向は、教職員、学生、院生ら大学構成員による議論と合意を尊重し、大阪府・市が責任をもって運営費交付金と教職員数を充実させることによって進められるべきです。 

    2018年2月24日      大阪市立大学の統合問題を考える会

                      世話人  仲本 和明

                      世話人  津田 康夫

                  大阪府立大学問題を考える会

                      代表   野崎  清

                      代表   野沢 倫昭

 2月23日 市議会−都市経済委・本会議、維新、公明の賛成で

市大・府大「法人統合」が可決強行さる。自民、共産が反対討論。

 23日午前、都市経済員会で維新、公明の賛成、自民、共産の反対で、「法人統合」が可決され、つづく午後の市議会本会議で、維新、公明の賛成多数で可決強行されました。

 本会議での、自民・北野妙子議員、共産・小川陽太議員の「反対討論」を紹介します。

 建学135年の歴史・伝統を見放すもの

自民・北野妙子議員 

  私は、自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団を代表し、議案144号〜146号、継続中の市大・府大法人統合案件について、委員会では「さらに慎重な審議が必要である」と主張しましたが、本日採決することとなったため、反対の立場から討論します。

 本案件は、平成29年9月13日、都市経済委員会に付託されて以来、理事者から具体的な新大学のビジョンが示されないまま、当然、十分な議論もつくされていないなかで、学生数16000人、全国最大規模の大学統合に繋がる第一歩が踏み出されてしまうという局面を迎えています。9月議会の際、さまざまな課題が浮き彫りとなりました。1つめは、それぞれの大学が現状としてかかえる定量的なお金の話、つまり運営費交付金のことであります。市立大学に対して本市はきちんと設立団体としての務めを果たすべく、いわゆる基準財政需要額を上回る運営費交付金を執行しております。それに対して府立大学では、基準財政需要額を20%以上下回る額の運営費交付金しか執行されておらず、台所事情が推し量られるという点であります。基準財政需要額とは、この場合、普通に大学を運営してゆくために標準的に必要であると国が認識している金額ですから、平成22年を起点に、年々その不足額が広がっているということから考えれば、統合のパートナーとして大丈夫かと考えざるを得ません。

 2つめは、単に法人統合するだけでは、教育研究面で具体的な定性的な効果が生まれるわけではないとうことです。1大学をめざすために、まずは法人統合をするとのことでありましたが、法人統合をしたあと、その先の大学統合までを含めると、学部、学域の整理統合をはじめとする教務関係のシステム開発や、キャンパス整備などで相当の効果が求められます。もちろん、より良い大学をつくるためには非常に大切なことではありますが、現在の市大と府大が別々では出来なかった大学の機能強化充実を、単に両大学を引っ付けるだけで出来るとは思えません。新大学の抽象的な将来像は、副首都推進本部会議の上山氏らによって明らかにされていますが、これらの具体化については新法人の理事長にもとで行われるとしか市長はおっしゃっていませんでした。実現性について、何のお示しもありませんでした。

 3つめは、新キャンパス整備のことです。新しい大学を作り出すことの象徴として、いくつもに分かれたキャンパスの集約には大きな意味があると、この間何度も申し上げてきました。しかし、松井知事は昨年末の副首都推進本部会議で、それまでの発言をいともたやすく撤回し、はっきり「新たに税投入はしない」とおっしゃいました。一方で、市長は、今般の委員会で唯一踏み込んだ答弁があるとするならば、「市内の中心地にキャンパス整備をするなら、森之宮地域は非常に有力な候補のうちの1つである」とお答えになられた、その一点のみであります。しかし、これとて住吉市民病院の問題を引き合いに出すまでもなく、いま申し上げた松井知事の言葉を合わせると、何の実現可能性もありませんし、担保もありません。当該地において別の目的で行われたマーケットリサーチをおこなったことを唯一の根拠においてはおりますが、そのリサーチ対象の土地と議論された土地がずれており、しかもリサーチに出て来た15の提案の中には、大学キャンパスに関する提案もありましたが、サテライトキャンパスしか入ってはおりません。全く、今回、賛成する根拠にはなりえないものであります。しかも、今回委員会でも、市長答弁によれば、新キャンパス整備は既存のキャンパスを売り払って土地売却益でまかなえ、とおっしゃっておられます。新キャンパスの税投入について明確に発言されたわけではありません。大学はどうおっしゃっているのか、現在の学生、教職員、ステークホルダーの方々はどう思われているのか、お尋ねになられてのことなのでしょうか。冒頭、16000の学生規模になると申し上げましたが、それらの方々を加えると軽く2万人を超えます。建学135年を経過した市立大学が、このような形でいとも簡単に、いずれかのキャンパスが削減される姿は、そこに息づく方々だけでなく、市立大学を地域の宝として育んでこられた多くの市民の思いや、歴史や、伝統などを一顧だにせず、大阪市がそれを見放す、手放すということにほかなりません。

 今回の結論がチャンとした公明正大な、かつ十分な議論の末に導き出された判断であるならば、話は別です。なぜなら、新しい大学がたくさんの市民府民から祝福され、納得のいく議論の末、十分な説明や責任ある将来ビジョンを示す、その過程があれば、我々も賛成できたかもしれません。しかし、唐突に、藪から棒に、これまでの答弁から1ミリも確証ある変化のない中での議決の結果、賛成多数となれば、驚きの念を隠せません。

以上の理由から、本議案に対して、わが会派としては、引き続き慎重な議論を望んでおり、「現段階では賛成できないもの」と申し上げ、議員各位におかれましてはご賛同いただきますよう申し上げ、私の反対討論といたします。ご清聴ありがとうございました。

大学リストラは明らか 

共産党・小川陽太議員

 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表し、ただいま上程されました議案144号「公立大学法人・大阪市立大学と公立団学法人・大阪府立大学との新設合併に関する協議について」、ならびに関連する3件について反対の討論を行います。

 これらの議案は、市大、府大、それぞれの法人を統合しようとするものです。大阪市大の135年の歴史は、日本の近代化の先駆けとして五代友厚らが立ち上げた大阪商業講習所としてスタートし、関はじめ市長が大阪商科大学への昇格にあたって、「国立大学のコピーであってはならない。大阪市を背景とした学問の創造がなければならない。この学問の創造が、学生、出身者、市民を通じて、大阪の文化、経済、社会生活の真髄となって行く時に、設立の意義を全くするものである」と述べました。戦後も、その流れは歴代の教職員、学生、同窓生、市民など、多くの関係者の思いや実践、経験、伝統が積み重なり、いまの大阪市立大学に引き継がれているのです。大学関係者をはじめ市民合意のない拙速な「統合」をすすめるなど断じて認められません。以下、具体に申し上げます。

 第一は、大学の内発的要求にもとづかない、「二重行政の解消」を口実に始まった統合議論が押し付けられていることです。そもそも、府市統合本部で「二重行政」と決め付け、橋下市長の「東京ですら140億円のキャッシュしか出していない、大阪では府と市あわせて200億円、大阪はそこまでの大学を抱える必要があるのか」というところから始まった議論にほかなりません。その後、統合案件は議会で否決され、「都構想」住民投票でも否決され、「統合」問題は決着したはずでした。ところが、2015年のダブル選挙のあと、またぞろ大学統合議論が再始動し、統合本部から衣替えした副首都推進本部会議で上山特別顧問などが主導し、大学自身に統合をすすめさせるよう仕向けるための「新大学4者タスクホース」が設置されました。しかし、昨年秋に発表された、大阪府大学教職員組合と教職員ユニオン連名の「声明」が、「行政主導で新大学に関するいくつかの提言と計画が示されてきたが、その議論は混迷し、両大学の将来像については大学内でも、両大学間でもいまだ議論は不十分である」と述べているように、この間の統合議論は、教員や学生、卒業生といった関係者を含め、何ら市民・府民的な理解を得られるものとなっていないのが現実です。「二重行政」だからとキャッシュを減らす真の狙いを隠すために、「経費削減が目的ではない」と言ってみたり、「1法人、2大学」と言ってみたり、いろいろ言説を変え、ゴマカシを重ねてきました。現在「まずは法人統合」と言っているわけですが、吉村市長は16日の都市経済委員会で、「森之宮に新キャンパスをつくることを検討している」などと突然言い出しました。いったい、いつ、どこで、キチンと詰められた話なのか、いったい学部の再編はどうなるのか、キャンパスとして必要な広さは確保されるのか、財源はどうするのか、結局、思いつきで、抽象的な議論でしかなく、具体的な新大学の姿は、未だ何も示されてはおりません。ただただその場しのぎの発言をくり返し、しゃにむに大学統合を推し進めようとする、このようなやり方は、絶対に許されません。

 第2は、法人統合の狙いが、「大学の自治」を蹂躙し、強権的に大学リストラをすすめるものに他ならないからであります。「法人統合の基本的な考え方」の中で、法人統合の趣旨として「一元化された理事長のもとで、大学統合をめざす」と明記されています。知事・市長が任命する理事長が、両大学に直接、知事・市長の意向を押し付けていくことになります。そして、法人統合のもう1つの趣旨として、「ガバナンスの強化をはかり、選択と集中の視点から、構造的な改革および資源の効果的な活用を行えるよう、経営を一体化する」と書かれており、その狙いが、学部の再編や定数削減の大学リストラであることが明らかです。これが推進されれば、比較的安い授業料で高等教育を受けることができる機会が減り、府民・市民にとって大きな損失となります。また、大学運営資金確保に汲々となれば、研究も外部資金獲得競争に駆り立てられます。市大が防衛省の軍事研究に手を出していることなどはその典型であり、効率化の名の下、さらなる経費節減が迫られれば、自由な学問の発展を阻害することに繋がります。

 大阪に貢献する良い大学を作るというのなら、両大学のかけがえのない歴史と伝統をしっかりと引き継ぎ、両大学がそれぞれに公立総合大学として存続・発展してゆくための支援を強めることが重要であります。

教員、学生、卒業生などの大学関係者と市民をないがしろにする「統合」には反対と申し上げ、反対討論とします。

216日の都市経済委員会で、「市大中期目標・修正案」は維新、 

自民、公明の賛成で可決、統合議案は自民(継続)公明(留保)

共産(反対)で、引き続き継続扱いに

16日午後1時から、都市経済委員会で「市大中期目標 修正案」が審議された。

  大学支援課長から「中期目標 修正案」の提案説明。(議案のとおり)

  自民・北野、公明・八尾、共産・小川の3議員が質疑に。

●自民・北野議員―前回の委員会で、あたかも新大学の実現が既定事実かのような表現では賛成できないと主張したが、今回の「修正の趣旨」はなにか。

 森山課長―法人の円滑な運営に・・・

 北野議員―ほぼ前回「中期目標」と変わらない表現なので是としたい。なお、法人統合議案については、まったく動いていないので、継続を求めておく。

●公明・八尾議員―前回、大学統合が既定事実かのような「中期目標案」を批判、今回、修正されたが、すでに府議会で議決された府大の「中期目標」との整合性はとれるのか。

森山課長―表現は若干異なるが、基本的方向は変わらないので整合する。

八尾―前回、新大学の全体像を示してほしい、キャンパス問題、予算措置について質問したが、これからの検討という事だった。

まずキャンパス問題、昨年8月の報告では共通教育については同一キャンパスで、学部、学域ごとには集約化を図ると。そして将来的に、都心に新キャンパスをつくると。杉本、阿倍野、中百舌鳥、羽曳野、これらをどう集約するのか。

 吉村市長―キャンパスの分散は避けたい。同種の学部、学域は集約はかる。新キャンパスについての検討を進める。

 八尾―現在5カ所のキャンパス、82万平方メートル。例えば、杉本は54000平方メート 

 ル、ここに12回生が3000人、統合すれば6000人。 都心キャンパスはどこに確保するのか、どの地域、建設費は。

 吉村―キャンパスを集約するのは相当規模の土地が必要だ。新たな土地に集約とは現実的でない。新キャンパスについては、マ−ケットリサーチで、森ノ宮、梅田、阿倍野の3地域、この3地域のネットワークも検討したい。費用は、現キャンパスの売却益と新たな予算。

 八尾―森の宮は、成人病センター、交通局跡地、焼却場跡地などがある。これに梅田キャンパスと阿倍野キャンパスを連携すると。費用は、売却益と新たな財政負担だと。

 次に、府と市の財政措置について。新法人は、府と市が対等に役割を果たすというが、キャンパス経費も府と市が均等に負担するのか。

 吉村―新法人は共同設立、府と市は対等。交付金も対等に負担するものと考える。新たな負担については、府と市で検討する。

 八尾―29年度の府・市の交付金は206億円。すでにこの間削減してきたのでこれ以上の削減しないでしょうね。大学運営には、安定した財源を継続する必要。府と市が均等に負担して総額を維持するべき。現在、府が97億円、市が109億円。現行のまま、将来、統合すると220億円を110億円ずつ負担することになるが。

 吉村―これ以上のコストの削減はしない。府も市も責任もって財政負担を継続する。新たな投資はリターンメリットを検討する。

 八尾―最後に、統合による新大学に何を期待するか、その意義は。また、学生、教職員は不安を持っているが、どうこたえるか。市長の思いを聞かせてほしい。

 吉村―自治体が設置する大学とは、国立のコピーでも私学のコピーでもない。大阪市大(商大)を設立した関市長の考えに共感している。都市の成長に寄与する学問研究機関である。

 今、社会もアジアも変わってきた。大阪も個性ある都市に成長。新大学は、知の拠点、成長のブレーン、生活向上に寄与する大学にしたい。行政の政策立案にも関与するようにしたい。市大、府大の英知を結集して大阪の成長の中心的役割をはたす大学を目指す。

●共産・小川議員―修正された「中期目標」も「統合ありき」で変わりない。わが会派は、中期目標に「統合」を盛り込む必要ないと考える。削除するべきではないか。

 森山課長―少子化のもとで、大学間競争が激化、選ばれる大学になる必要。「中期目標」では、新大学を目指し、まず法人統合、大学統合へと準備を進めてゆくべき。

 小川―大学間競争が激化、選ばれる大学、などというが、もともと、「二重行政」の無駄をただすと始まった統合だった。競争、競争というが競争の実態とは、また競争に勝つとはどういう事か。例えば、大学ランキング(国内では13位)、統合するとどう変わるのか。

 森山―新大学ではプレゼンスの向上を図り、ランキングもアップさせたい。

 小川―統合によって、大きくなれば良い大学になるかどうか、疑問だ。公立大学とは・・・・・。

 この間、「二重行政の無駄」といって運営費交付金を削減し、非正規雇用を増やしてきた。また、「統合」とは、選択と集中といってリストラをたくらむ。外部資金の獲得を迫られ、防衛相研究にまで応募する、こんな大変な状況にしておいて、統合すればいったいどうなるのか。

 大阪市大は、いまでも良い大学だと評価されている。公立大学の役割を立派に果たしている。「統合」によって、多様な研究、歴史と伝統を損なってはならない。なぜ、いまのままでダメなのか。

 森山―これまで市大は立派に役割果たしてきた。今、いっそうの高齢化、グローバル化が進み、さらに優位な大学を目指すべき。18歳人口が減り、選ばれる大学に、大学間競争に打ち勝つ必要。統合によって、規模、領域、教育の向上が見込まれる。魅力ある大学を目指して、従来のスケールを超える大学を目指す。

 小川―統合によって、人口減に対応できるのか。そうは思わない。統合によって市大の歴史と伝統を失ってならない。いまの大学を充実させるべきだ。統合は大学からの内発的要求ではない。「統合」の不毛の議論はやめるべき。格差と貧困の広がる今日、「安い」学費で学べる大学が求められている。大学統合はやめるべき。統合のための法人統合はやめるべき。

●審議終了後、各派の態度表明。

    中期目標(修正) 法人統合議案

維新   賛成       賛成

自民   賛成       継続

公明   賛成       留保

共産   反対       反対

あべの  賛成       賛成

 以上のとおり、中期目標(修正案)は可決、法人統合議案は継続に。

声明

 府大・市大「法人統合」議案が大阪市議会で可決できず、継続扱いに

道理のない大学「統合」やめよ! ひきつづきがんばりましょう

2017年12月14日       大阪府立大学問題を考える会         

大阪市立大学の統合問題を考える会

  府大・市大「法人統合」議案は、9月の市議会と府議会に同趣旨の「議案」がそれぞれ提出され、並行して審議されました。まず9月20日、市議会・都市経済委員会で審議され、維新が賛成、自民・公明が保留、共産が反対で、可決できず継続扱いとなりました。一方、府議会は、総選挙直後の10月27日、11月2日の教育常任委員会で審議され、「大学統合にむけ、まず法人統合」という議案にもかかわらず、自民が「法人統合には賛成するが、1法人・2大学をめざすべき」と主張、維新、自民、公明の賛成多数、共産のみ反対で可決、8日の府議会本会議でも「法人統合」議案は可決されてしまいました。

  審議の行方が注目された市議会は、12月5日の都市経済委員会で、自民・公明が保留の態度を変えず、共産が反対、再び可決できず継続扱いに、12日の閉会本会議でも継続扱いとなりました。こうして「法人統合」議案は棚上げ状態となり、維新の「統合」ゴリ押しにストップがかかったのです。

  この度の府・市議会にむけ、9月7日に市大「考える会」が「大学法人統合の中止を求める陳情」を市議会に提出、つづいて市議会開会日の13日、府大・市大「考える会」が松井府知事・吉村大阪市長あてに「法人統合の中止、2大学の存続・発展を求める要請書」を提出、両議会の各会派にも同様の「申入れ」を行いました。

  大学関係者の率直な声や私たちの働きかけもうけ、9月20日の市議会・都市経済委員会では、「キャンパスや学部再編など新大学の姿がみえない」「特別顧問による、顧問のための大学づくりだ」「運営費交付金は削減したままで現状維持なのか」「教職員・学生のコンセンサスが得られておらず、拙速な統合は認められない」など、自民・公明・共産の3党が追及、「統合議案」も「陳情」も継続扱いとなりました。

  府議会では、10月27日の教育常任委員会で共産党府議が質疑にたち、「大学現場の教職員・学生への説明、意見聴取は極めて不十分」「運営費交付金が毎年削減され、教員は2割減、教育研究を脅かしている」「国立大学より高い府大の学費、減免制度の拡充こそ急務」「統合ありきの議論はいったん中止を」と追及。つづいて11月2日、同府議が知事質問にたち、「統合すれば『強い大学』になるという根拠は何か」「高い学費の減免拡充こそ急務」と鋭く追及しました。維新、自民、公明の賛成多数(共産党は反対)で可決されてしまいましたが、道理のない「統合」であることが暴露されました。

  府議会で可決という局面で、私たちは11月中旬、市議会・都市経済委員の自民・公明・共産の各議員宛に「拙速な採決を許さず、徹底審議していただきますようお願いします」と要請の手紙を送り、議員事務所に電話で働きかけました。12月5日の都市経済委員会は、こうした働きかけの甲斐もあって、「法人統合議案」は再び継続扱いとなったのです。

  私たちは、大学「統合」に固執する維新、無責任・党略的な駆け引きで賛成にまわった府議会自民・公明に断固抗議するとともに、市議会での徹底審議を求めていきます。

  歴史と伝統、豊かな実績をもつ大阪市大と大阪府大は、府市民にとってかけがえのない財産であり、「大学を守れ」の声は高まりこそすれ弱まることはないでしょう。大学「統合」はなお5年がかりの計画であり、道理のない「統合・再編」がゴリ押しされれば、教職員・学生、大学関係者の間に矛盾や異論が必ず生まれるでしょう。2年後には府・市会議員選挙、市長・知事選挙もあり、維新政治を打ち破れば、大学「統合」を中止に追い込むことも見えてきます。「統合」反対、2大学の存続・発展を求めて、引き続き頑張っていきましょう。 

 125日の市議会・都市経済委員会は、市大・府大「法人統合議案」について審議、自民、公明、共産の3会派が質問、いずれの会派も、市長提案の「統合関連議案」を原案のまま賛成できないと表明。ひきつづき今市議会会期末の1212日(火)まで継続することを決した。以下、各会派の質問のポイントを紹介。

なお市会は12月12日会期末を迎え、議案は継続審議となりました。

《自民・市民ク・北野議員》 

●先日(1129日)、市長への一般質問で、「法人統合の目的が大学統合のためであるなら、法人統合にあたっては大学統合に相当な効果が示めされないと判断ができないため、新大学の具体的な将来像を示してほしい」と求めたが、市長は「新大学の将来像は、法人統合後の新法人のもとで決める」と一蹴された。統合については、スケジュールありきで進められており、議論は十分ではない。

ところが、「第3期中期目標案」では、「今中期目標期間を目途に、新大学の実現をはかる」と、あたかも統合まで決定されているかのような表現となっている。法人統合さえも決まっていないのに、このままの「中期目標案」は認められない。第3期中期目標期は来年304月からとなっているが、もし中期目標が決定されなければ、法人の事業運営にどんな影響があるのか。

《森山課長》「中期目標」とは、法人設立団体の長が業務運営の目標を提示するもので、大学法人は中期目標にそって中期計画を策定し、業務を遂行する仕組み。中期目標が示されなければ、達成目標をもたないまま業務運営することになる。また、中期目標にもとづく事業に運営費交付金を交付することになっているので、中期目標がなければ、運営費交付金が交付できないことになる。

●それでは、大学運営ができなくなるではないか。「中期目標」について、なぜ現状に即して書き換えることができないのか。「中期目標」とは、市長にしか提案できない。議会は提案できない(可否を判断するだけ)。先日の一般質問でも言ったように、このままの表現では認められないので、市長に「中期目標案」の再考を強く求める。

もともと、中期目標とは大学の事業目標であり、「統合」の是非を問うものではない。「統合」を盛り込むべきではないと考える。「統合」問題は、別の案件として審議するべきで、「中期目標案」に持ち込み、議会の賛同が得られずに、大学の運営に支障をきたすような事態は避けるべきだ。(「統合」以外の中期目標には賛成している)

《公明党・八尾議員》吉村市長に質問する 

9月の本委員会で、「魅力ある新大学をめざすのなら、設立団体として一定の財源措置が必要、とくに、新大学のキャンパス整備には相当な費用がかかる」と質問したが、府・市の返答は、「新たな投資は行わない」という。これでは、厳しい大学間競争に勝ち抜き、成長・発展してゆく魅力ある新大学になるとはとうてい思えない。今回の議案が、大学統合をめざす法人統合であるならば、学部・学域やキャンパス再編などの新大学の全体像を示すこと、さらに新大学の財政支援の考え方を具体的に示すべきと申し上げているが、今後、検討の上、新たな提案をしていただけるのか。また「中期目標案」についても、大学統合がさも既定事実であるかのような表現があり、原案のままでは認められないと指摘してきた。その後、再考されたのかを問う。

 《吉村市長》大阪市大は130年の歴史、多くの人材を輩出してきた。今後とも、よりよい大学をめざしたい。魅力ある新大学については、府市・両大学4者タスクホースで検討、教育・研究・地域貢献に加え、都市問題解決のシンクタンク機能と産業競争力強化のための技術インキュベーション機能、新たな2つの機能強化を検討し、大学のプレゼンス向上をはかりたい。学部・学域、キャンパスなどの検討は、今後、新法人のもとで進めたい。財政支援は現行水準を維持し、新たな支援はリターンメリットを検討する。中期目標については、まず法人統合し、大学統合をめざすこととし、法人に指示したい。

●わが会派としては、「統合自体に反対しているわけではない」と申し上げておく。

いまの市長答弁では、新大学の全体像、新たな財政支援などは、これから検討し、示していただけるということだが、今後、議論を進めてゆくために、「新大学の全体像」「新大学を安定的・発展的に支えてゆく財政支援」を具体的に示していただきたい。リターンメリットには短期的と中長期的なものがあり、中長期的展望にたった財政支援を期待している。魅力ある大学にむけて議論できるよう、一日も早く具体案を提示していただくよう要望する。「中期目標」については、現状に即して再考していただきたい。

《共産党・小川議員》「大学法人統合」議案について意見表明 

●この「統合」関連3条例案は、市大・府大を統合するための議案である。法人統合を先行して進めようとしているが、「第3期中期目標案」には、本中期目標期間中に新大学をスタートさせるというスケジュールが明記されている。“大学統合ありき”の一本道、後戻りできない。2012年から大学統合の議論が始まり、第2期中期目標の変更の際、「プレゼンスが向上されなければ統合の意義はなく、結論のみを求めるような進め方はあってはならない」という付帯決議が付された。しかし、市長は、大学統合の姿、統合のメリットを提示しないまま、大学統合、法人統合を進めようとしており、議会軽視といわなければならない。もともと「統合」は、府市統合本部で「二重行政」と決めつけ、橋下前市長の「東京ですら140億円しか出していないのに、大阪では府市合わせて200億円。大阪は、そこまでの大学を抱える必要があるのか」としたところから出発した議論にほかならない。この間、運営費交付金は減らされ続け、追い詰められた大学に、「統合したい」と言わせるように仕向けてきた。実際の大学統合の姿を示すとなれば、重複する学部や研究科のどこを無くすかなど、個別具体の再編・集約化の話し合いが必然となる。キャンパスも再編されると聞く。まさに大学リストラの議論にほかならなくなる。市長は、一般質問でも「リストラ計画ではない」と答弁し、「現状を維持する」というが、この間、運営費交付金は減らされ続けているのが現状だ。「強い大学」「都市格をあげる」などというが、大阪の現状は、他都市に比べ大学が多いどころか、東京に比べると大学数、学生定員数のいずれも遠く及ばない。大学統合によって歴史と伝統ある市大、府大を無くすようなことはあってはならない。むしろ、豊かに発展させることこそ大都市大阪の発展にとって必要ではないか。学生、教職員、卒業生、さらに市大で学ぶことを志す未来の学生にとっても、理解と協力を得られる大学発展の方途を見出すべきだ。大学統合ありき、スケジュールありきの法人統合には反対であり、法人統合から大学統合にすすむ「第3期中期目標案」にも反対である。

以上で審議打ち切り

委員長が「議案144号〜147号(法人統合関連議案)については、委員会開会前の各派代表者会議での協議にもとづき、本日は態度表明を行わず、来る12日(市議会閉会日)に委員会を開催し態度決定を行うこととする」と宣言。

 112日府議会教育常任委員会が開催され、「大学法人統合議案」について日本共産党の石川たえ府議が知事質問を行った。この質疑をもって委員会審議を終了。休憩・再開後、各会派が議案に対する態度表明ののち、賛成多数(共産党のみ反対)で「大学法人統合議案」が可決された。なお態度表明で自民は「一法人2大学で検討を進めるべき」と主張した。公明は態度表明をせず。

 石川府議の知事質問の要旨は次の通り。

統合すれば「強い大学」になるという根拠は何か 

《石川府議》府大・市大の統合について。H279月の当委員会で学生や教職員への説明責任を果たすよう求めたが、教職員や学生に対する説明や意見聴取は極めて不十分で、学内議論は全く醸成されていない。「公立の高等教育機関として、学生・府市民にとって有益かどうかの考察を欠いている」と教員から疑義があがり、86%もの学生が自治会アンケートに統合問題を知らないと答えている。教育基本法では、大学について「自主性、自律性、その他大学における教育研究の特性が尊重されなければならない」と定めており、組織改革には、大学の自主性を生かした十分な議論が不可欠であるにもかかわらず、大学内では自主的議論が不十分なもとで、拙速に統合を進めるとはいかがなものか。2大学を1つに統合すれば強い大学になるという根拠は、いったいどこにあるのか。

《松井知事》両大学がまとめた「新・公立大学大阪モデル(基本構想)」において、両大学の統合によって教育研究・地域貢献の2つの基本機能のいっそうの向上が期待でき、大阪の発展が牽引できるという考えが示されている。加えて、府市、両大学がまとめた「報告書」にそって、都市シンクタンク、技術インキュベーションの2つの機能を充実強化することにより、大阪の都市問題の解決や産業競争力強化に貢献できると期待できる。こうしたビジョンをふまえ、両大学の統合によるスケールメリット、相乗効果を発揮し、全国ナンバーワンの公立大学となる新大学をめざす。

《石川》くり返し「統合による強い大学の根拠は何か」を聞いてきたが、スケールメリットと相乗効果というだけで、何をもって全国一の公立大学なのかわからない。「日経グローカル」が毎年行う大学の地域貢献度調査で、H27年は府大が11位、市大が6位でどちらも上位、全国的にみて地域貢献度は高い大学だ。両大学とも地域社会の期待にこたえるべく設置され、長年にわたり比較的安い学費で質の高い高等教育を提供し、多数の卒業生を輩出してきた、府市民の貴重な財産だ。この両大学を統合する意味と、強い大学になるという根拠を、あらためて学生や教職員に説明し、統合の前に現場との討議を進めることを約束していただけないか。

《松井》大学内の議論は両大学執行部のもとでしっかりやられている。これまでも教員の参画を得て検討をすすめ、進捗に応じて説明、意見交換、学生にもさまざまな機会に説明、情報発信、意見も聞いてきた。今後とも統合の検討状況などの情報を周知、関係者の意見を聞きながら取組みをすすめていきたい。「何をもって強い大学か」という根拠だが、より具体的にいえば、全国で医学部と獣医学部がいっしょに有るのは9大学(国立7、私立2、公立は0)。統合すれば、関西で唯一の医学部・獣医学部を有する大学が誕生することとなり、ライフサイエンス、バイオテクノロジーなどの分野で新しい研究成果が期待できる。大阪エリアに医学部と獣医学部を有する大学が誕生する。これをもって機能強化とならないと言われるのが分からない。まちがいなく機能強化につながると思っている。

《石川》医学部と獣医学部がいっしょになれば機能強化と言われるが、いっしょにならなかったら機能強化できないのかという疑問も生まれる。「医学部と獣医学部が一つになるから強い大学になる」と、これが根拠なのか。

《松井》それがスケールメリットの一例だ。さらに、府大の理工学部の「ものづくり」の研究成果も積み上げており、新たな医療機器の開発もできるだろう。そういうもの全て含めてスケールメリットだ。より具体的に、医学部・獣医学部を有する大学ができると言ったもの。関西で唯一の医学部・獣医学部を備えた大学になるのに、これで機能強化にならないという貴議員の感覚が理解できない。

《石川》知事との意見の相違はあたりまえだ。医学部と獣医学部をいっしょにならなくとも連携すればよいという意見もある。学生や教職員への説明不足や、学域再編されて検証しなければならないところに、さらに統合など受けとめられないという現場の声があることも事実であり、さらに丁寧な説明責任があるのではないか。

運営費交付金は現状維持というが、今後、増える見込みはあるのか

《石川》新たな公立大学としての2つの機能、戦略領域の「報告書」に、大阪の高齢化と健康寿命の延伸は重要課題と位置づけられており、具体的なとりくみ例の一つに、地域医療を支える看護職の現任教育をとりあげられ、その条件として教員の増員が明記されている。この間、府大への運営費交付金は減らされ続け、施設整備費を足しても、H18年から28年の10年間で、145千万円も削減されている。教職員の人件費も削られ、教員数も2割も減っている。教員が減ったことで、教員1人あたりの学生数が増え、卒論の指導や学生へのケアーが行き届かず、基礎研究の継続も危ぶまれている。教員が退職すれば研究がとだえてしまう状況すらある。運営費交付金は現行どおりという答弁だが、現状維持では教員増はのぞめないのではないか。新たな課題のために教員増をかかげているということは、当然、運営費交付金も増え、教員も増えるということか。

《松井》運営費交付金については現行の水準を維持することとし、教員の配置についても、両大学の統合によるスケールメリットや相乗効果により対応できると考えている。

《石川》運営費交付金は現状維持というが、すでに交付金は大きく削減され、教員も減っており、このままでは教育の質が担保できないと言われている。運営費交付金を増やさず、どうやって教員増をはかるのか教えてほしい。

《松井》両大学の重なっている部分を、スケールメリットを活用して財源を生み出してゆく。その財源を新たな研究分野に振り向けてゆく。

《石川》スケールメリットのなかで、どうして新たな財源が生み出されるか。

《松井》両大学のさまざま組織の仕組みの中で重なっている部分がある。重なっている部分は絞り込むことがでるはず。いま、それぞればらばらにやっているところを一つにまとめれば、組織としては絞り込むことができる。そうすれば財源は生み出せる。また、新たな投資が必要な場合は、リターンメリットを精査し、そのときに考えることになる。

《石川》「報告書」にもどるが、看護師を育てる教員増のところの前に、府大も市大も保健師をたくさん輩出していると書かれている。この保健師たちが大阪の健康寿命を支えている。この両大学の看護学部を一つにしてしまって、教員増がいる、でも運営費交付金は増やさない、これでどうして新たな財源がでてくるのか甚だ疑問だ。府大の理事長も、統合によって運営費交付金は減らさず、現状維持を要望しており、同時に、必要性が認められれば交付金を増やすことも了解済みと述べておられる。知事は現状維持というが、今後、運営費交付金が増えてゆく見通しはあるのか。

《松井》府大理事長の話については、説明がつけば増やしてゆくということだ。現状では、新たな投資が必要なリターンメリットは示されていない。示された段階で精査し判断することになる。

《石川》具体的な問題が示されていないから、交付金の問題は今後の問題だといわれる。ところが、具体的なことが示されていないのに、統合だけはすすめるという。ここに、教職員や学生が「具体的なことが示されていないに、どうして統合だけすすむのか」「説明も相談もないではないか」という声がでてくる。ここを置き去りにしたまま統合だけすすめるのは、あまりに拙速ではないか。これが現場の声だ。いまの答弁では、今後の検討次第で交付金が増える可能性もありうるわけだ。そういうことも含めて、現場の教職員や学生にもっと丁寧な説明が求められている。法人統合する前に、丁寧な説明で理解と納得を得るようにするべきだ。現状維持とは、マイナスからの出発であり、マイナスからの出発ではなく、是非とも運営費交付金を増やし、教員を増やし、新たな投資も検討していただきたい。

高い大学授業料、減免制度の拡充を求める

《石川》府大の学費は、国立大学とくらべて授業料は同額だが、初年度納付金が高くなっている。入学金は、府内生は国立並みだが、府外生は10万円高い。獣医学部では、実験・実習の負担金が徴収され、獣医学部の初年度納付金は110万円にのぼる。この110万円とは、どれほどの額か。府が公表している資料によると、シングルマザーの平均年収200万円未満が61%であり、この200万円の半額が初年度の納付金である。そのうえ、府大生の3分の1が奨学金を受けており、卒業すると借金としてのしかかる。かつて、府大は安い学費で大阪を支える人を育てる大学だった。いまは、収入が低い家庭の子どもは大学に進学できない。せめて授業料減免枠を広げるとか、成績要件をなくすなど、減免基準を緩和して、学生が通いやすい大学にするべきではないか。

《松井》なんでシングルマザーの年収と獣医学部の初年度納付金がつながるのか。議員の質問の意味がわからない。印象操作しているのだろうが。石川議員の年収なら十分払える110万円ではないか。

府立大学の授業料については、減免制度の成績要件を一部緩和し対象範囲を拡大するなどの見直しを行ってきた。学生支援制度の充実は必要と考えており、他大学や学生の就学状況もみて、今後とも、減免制度を適切に運用してゆく。

《石川》時間がなくなったので、授業料減免制度の拡充と運営費交付金の増額を求めて質問を終える。

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