2月16日の都市経済委員会で、「市大中期目標・修正案」は維新、
自民、公明の賛成で可決、統合議案は自民(継続)公明(留保)
共産(反対)で、引き続き継続扱いに
●16日午後1時から、都市経済委員会で「市大中期目標 修正案」が審議された。
大学支援課長から「中期目標 修正案」の提案説明。(議案のとおり)
自民・北野、公明・八尾、共産・小川の3議員が質疑に。
●自民・北野議員―前回の委員会で、あたかも新大学の実現が既定事実かのような表現では賛成できないと主張したが、今回の「修正の趣旨」はなにか。
森山課長―法人の円滑な運営に・・・
北野議員―ほぼ前回「中期目標」と変わらない表現なので是としたい。なお、法人統合議案については、まったく動いていないので、継続を求めておく。
●公明・八尾議員―前回、大学統合が既定事実かのような「中期目標案」を批判、今回、修正されたが、すでに府議会で議決された府大の「中期目標」との整合性はとれるのか。
森山課長―表現は若干異なるが、基本的方向は変わらないので整合する。
八尾―前回、新大学の全体像を示してほしい、キャンパス問題、予算措置について質問したが、これからの検討という事だった。
まずキャンパス問題、昨年8月の報告では共通教育については同一キャンパスで、学部、学域ごとには集約化を図ると。そして将来的に、都心に新キャンパスをつくると。杉本、阿倍野、中百舌鳥、羽曳野、これらをどう集約するのか。
吉村市長―キャンパスの分散は避けたい。同種の学部、学域は集約はかる。新キャンパスについての検討を進める。
八尾―現在5カ所のキャンパス、82万平方メートル。例えば、杉本は54000平方メート
ル、ここに1・2回生が3000人、統合すれば6000人。 都心キャンパスはどこに確保するのか、どの地域、建設費は。
吉村―キャンパスを集約するのは相当規模の土地が必要だ。新たな土地に集約とは現実的でない。新キャンパスについては、マ−ケットリサーチで、森ノ宮、梅田、阿倍野の3地域、この3地域のネットワークも検討したい。費用は、現キャンパスの売却益と新たな予算。
八尾―森の宮は、成人病センター、交通局跡地、焼却場跡地などがある。これに梅田キャンパスと阿倍野キャンパスを連携すると。費用は、売却益と新たな財政負担だと。
次に、府と市の財政措置について。新法人は、府と市が対等に役割を果たすというが、キャンパス経費も府と市が均等に負担するのか。
吉村―新法人は共同設立、府と市は対等。交付金も対等に負担するものと考える。新たな負担については、府と市で検討する。
八尾―29年度の府・市の交付金は206億円。すでにこの間削減してきたのでこれ以上の削減しないでしょうね。大学運営には、安定した財源を継続する必要。府と市が均等に負担して総額を維持するべき。現在、府が97億円、市が109億円。現行のまま、将来、統合すると220億円を110億円ずつ負担することになるが。
吉村―これ以上のコストの削減はしない。府も市も責任もって財政負担を継続する。新たな投資はリターンメリットを検討する。
八尾―最後に、統合による新大学に何を期待するか、その意義は。また、学生、教職員は不安を持っているが、どうこたえるか。市長の思いを聞かせてほしい。
吉村―自治体が設置する大学とは、国立のコピーでも私学のコピーでもない。大阪市大(商大)を設立した関市長の考えに共感している。都市の成長に寄与する学問研究機関である。
今、社会もアジアも変わってきた。大阪も個性ある都市に成長。新大学は、知の拠点、成長のブレーン、生活向上に寄与する大学にしたい。行政の政策立案にも関与するようにしたい。市大、府大の英知を結集して大阪の成長の中心的役割をはたす大学を目指す。
●共産・小川議員―修正された「中期目標」も「統合ありき」で変わりない。わが会派は、中期目標に「統合」を盛り込む必要ないと考える。削除するべきではないか。
森山課長―少子化のもとで、大学間競争が激化、選ばれる大学になる必要。「中期目標」では、新大学を目指し、まず法人統合、大学統合へと準備を進めてゆくべき。
小川―大学間競争が激化、選ばれる大学、などというが、もともと、「二重行政」の無駄をただすと始まった統合だった。競争、競争というが競争の実態とは、また競争に勝つとはどういう事か。例えば、大学ランキング(国内では13位)、統合するとどう変わるのか。
森山―新大学ではプレゼンスの向上を図り、ランキングもアップさせたい。
小川―統合によって、大きくなれば良い大学になるかどうか、疑問だ。公立大学とは・・・・・。
この間、「二重行政の無駄」といって運営費交付金を削減し、非正規雇用を増やしてきた。また、「統合」とは、選択と集中といってリストラをたくらむ。外部資金の獲得を迫られ、防衛相研究にまで応募する、こんな大変な状況にしておいて、統合すればいったいどうなるのか。
大阪市大は、いまでも良い大学だと評価されている。公立大学の役割を立派に果たしている。「統合」によって、多様な研究、歴史と伝統を損なってはならない。なぜ、いまのままでダメなのか。
森山―これまで市大は立派に役割果たしてきた。今、いっそうの高齢化、グローバル化が進み、さらに優位な大学を目指すべき。18歳人口が減り、選ばれる大学に、大学間競争に打ち勝つ必要。統合によって、規模、領域、教育の向上が見込まれる。魅力ある大学を目指して、従来のスケールを超える大学を目指す。
小川―統合によって、人口減に対応できるのか。そうは思わない。統合によって市大の歴史と伝統を失ってならない。いまの大学を充実させるべきだ。統合は大学からの内発的要求ではない。「統合」の不毛の議論はやめるべき。格差と貧困の広がる今日、「安い」学費で学べる大学が求められている。大学統合はやめるべき。統合のための法人統合はやめるべき。
●審議終了後、各派の態度表明。
中期目標(修正) 法人統合議案
維新 賛成 賛成
自民 賛成 継続
公明 賛成 留保
共産 反対 反対
あべの 賛成 賛成
以上のとおり、中期目標(修正案)は可決、法人統合議案は継続に。