「法人統合議案」は継続 自公共「議論不十分」大阪市会委

 125日の市議会・都市経済委員会は、市大・府大「法人統合議案」について審議、自民、公明、共産の3会派が質問、いずれの会派も、市長提案の「統合関連議案」を原案のまま賛成できないと表明。ひきつづき今市議会会期末の1212日(火)まで継続することを決した。以下、各会派の質問のポイントを紹介。

なお市会は12月12日会期末を迎え、議案は継続審議となりました。

 

《自民・市民ク・北野議員》 

●先日(1129日)、市長への一般質問で、「法人統合の目的が大学統合のためであるなら、法人統合にあたっては大学統合に相当な効果が示めされないと判断ができないため、新大学の具体的な将来像を示してほしい」と求めたが、市長は「新大学の将来像は、法人統合後の新法人のもとで決める」と一蹴された。統合については、スケジュールありきで進められており、議論は十分ではない。

ところが、「第3期中期目標案」では、「今中期目標期間を目途に、新大学の実現をはかる」と、あたかも統合まで決定されているかのような表現となっている。法人統合さえも決まっていないのに、このままの「中期目標案」は認められない。第3期中期目標期は来年304月からとなっているが、もし中期目標が決定されなければ、法人の事業運営にどんな影響があるのか。

《森山課長》「中期目標」とは、法人設立団体の長が業務運営の目標を提示するもので、大学法人は中期目標にそって中期計画を策定し、業務を遂行する仕組み。中期目標が示されなければ、達成目標をもたないまま業務運営することになる。また、中期目標にもとづく事業に運営費交付金を交付することになっているので、中期目標がなければ、運営費交付金が交付できないことになる。

●それでは、大学運営ができなくなるではないか。「中期目標」について、なぜ現状に即して書き換えることができないのか。「中期目標」とは、市長にしか提案できない。議会は提案できない(可否を判断するだけ)。先日の一般質問でも言ったように、このままの表現では認められないので、市長に「中期目標案」の再考を強く求める。

もともと、中期目標とは大学の事業目標であり、「統合」の是非を問うものではない。「統合」を盛り込むべきではないと考える。「統合」問題は、別の案件として審議するべきで、「中期目標案」に持ち込み、議会の賛同が得られずに、大学の運営に支障をきたすような事態は避けるべきだ。(「統合」以外の中期目標には賛成している)

 

《公明党・八尾議員》吉村市長に質問する 

9月の本委員会で、「魅力ある新大学をめざすのなら、設立団体として一定の財源措置が必要、とくに、新大学のキャンパス整備には相当な費用がかかる」と質問したが、府・市の返答は、「新たな投資は行わない」という。これでは、厳しい大学間競争に勝ち抜き、成長・発展してゆく魅力ある新大学になるとはとうてい思えない。今回の議案が、大学統合をめざす法人統合であるならば、学部・学域やキャンパス再編などの新大学の全体像を示すこと、さらに新大学の財政支援の考え方を具体的に示すべきと申し上げているが、今後、検討の上、新たな提案をしていただけるのか。また「中期目標案」についても、大学統合がさも既定事実であるかのような表現があり、原案のままでは認められないと指摘してきた。その後、再考されたのかを問う。

 《吉村市長》大阪市大は130年の歴史、多くの人材を輩出してきた。今後とも、よりよい大学をめざしたい。魅力ある新大学については、府市・両大学4者タスクホースで検討、教育・研究・地域貢献に加え、都市問題解決のシンクタンク機能と産業競争力強化のための技術インキュベーション機能、新たな2つの機能強化を検討し、大学のプレゼンス向上をはかりたい。学部・学域、キャンパスなどの検討は、今後、新法人のもとで進めたい。財政支援は現行水準を維持し、新たな支援はリターンメリットを検討する。中期目標については、まず法人統合し、大学統合をめざすこととし、法人に指示したい。

●わが会派としては、「統合自体に反対しているわけではない」と申し上げておく。

いまの市長答弁では、新大学の全体像、新たな財政支援などは、これから検討し、示していただけるということだが、今後、議論を進めてゆくために、「新大学の全体像」「新大学を安定的・発展的に支えてゆく財政支援」を具体的に示していただきたい。リターンメリットには短期的と中長期的なものがあり、中長期的展望にたった財政支援を期待している。魅力ある大学にむけて議論できるよう、一日も早く具体案を提示していただくよう要望する。「中期目標」については、現状に即して再考していただきたい。

 

《共産党・小川議員》「大学法人統合」議案について意見表明 

●この「統合」関連3条例案は、市大・府大を統合するための議案である。法人統合を先行して進めようとしているが、「第3期中期目標案」には、本中期目標期間中に新大学をスタートさせるというスケジュールが明記されている。“大学統合ありき”の一本道、後戻りできない。2012年から大学統合の議論が始まり、第2期中期目標の変更の際、「プレゼンスが向上されなければ統合の意義はなく、結論のみを求めるような進め方はあってはならない」という付帯決議が付された。しかし、市長は、大学統合の姿、統合のメリットを提示しないまま、大学統合、法人統合を進めようとしており、議会軽視といわなければならない。もともと「統合」は、府市統合本部で「二重行政」と決めつけ、橋下前市長の「東京ですら140億円しか出していないのに、大阪では府市合わせて200億円。大阪は、そこまでの大学を抱える必要があるのか」としたところから出発した議論にほかならない。この間、運営費交付金は減らされ続け、追い詰められた大学に、「統合したい」と言わせるように仕向けてきた。実際の大学統合の姿を示すとなれば、重複する学部や研究科のどこを無くすかなど、個別具体の再編・集約化の話し合いが必然となる。キャンパスも再編されると聞く。まさに大学リストラの議論にほかならなくなる。市長は、一般質問でも「リストラ計画ではない」と答弁し、「現状を維持する」というが、この間、運営費交付金は減らされ続けているのが現状だ。「強い大学」「都市格をあげる」などというが、大阪の現状は、他都市に比べ大学が多いどころか、東京に比べると大学数、学生定員数のいずれも遠く及ばない。大学統合によって歴史と伝統ある市大、府大を無くすようなことはあってはならない。むしろ、豊かに発展させることこそ大都市大阪の発展にとって必要ではないか。学生、教職員、卒業生、さらに市大で学ぶことを志す未来の学生にとっても、理解と協力を得られる大学発展の方途を見出すべきだ。大学統合ありき、スケジュールありきの法人統合には反対であり、法人統合から大学統合にすすむ「第3期中期目標案」にも反対である。

 

以上で審議打ち切り

委員長が「議案144号〜147号(法人統合関連議案)については、委員会開会前の各派代表者会議での協議にもとづき、本日は態度表明を行わず、来る12日(市議会閉会日)に委員会を開催し態度決定を行うこととする」と宣言。

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