市会維新・公明 「法人統合」を強行   

 2月23日 市議会−都市経済委・本会議、維新、公明の賛成で

市大・府大「法人統合」が可決強行さる。自民、共産が反対討論。

 

 23日午前、都市経済員会で維新、公明の賛成、自民、共産の反対で、「法人統合」が可決され、つづく午後の市議会本会議で、維新、公明の賛成多数で可決強行されました。

 本会議での、自民・北野妙子議員、共産・小川陽太議員の「反対討論」を紹介します。

 建学135年の歴史・伝統を見放すもの

自民・北野妙子議員 

  私は、自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団を代表し、議案144号〜146号、継続中の市大・府大法人統合案件について、委員会では「さらに慎重な審議が必要である」と主張しましたが、本日採決することとなったため、反対の立場から討論します。

 本案件は、平成29年9月13日、都市経済委員会に付託されて以来、理事者から具体的な新大学のビジョンが示されないまま、当然、十分な議論もつくされていないなかで、学生数16000人、全国最大規模の大学統合に繋がる第一歩が踏み出されてしまうという局面を迎えています。9月議会の際、さまざまな課題が浮き彫りとなりました。1つめは、それぞれの大学が現状としてかかえる定量的なお金の話、つまり運営費交付金のことであります。市立大学に対して本市はきちんと設立団体としての務めを果たすべく、いわゆる基準財政需要額を上回る運営費交付金を執行しております。それに対して府立大学では、基準財政需要額を20%以上下回る額の運営費交付金しか執行されておらず、台所事情が推し量られるという点であります。基準財政需要額とは、この場合、普通に大学を運営してゆくために標準的に必要であると国が認識している金額ですから、平成22年を起点に、年々その不足額が広がっているということから考えれば、統合のパートナーとして大丈夫かと考えざるを得ません。

 2つめは、単に法人統合するだけでは、教育研究面で具体的な定性的な効果が生まれるわけではないとうことです。1大学をめざすために、まずは法人統合をするとのことでありましたが、法人統合をしたあと、その先の大学統合までを含めると、学部、学域の整理統合をはじめとする教務関係のシステム開発や、キャンパス整備などで相当の効果が求められます。もちろん、より良い大学をつくるためには非常に大切なことではありますが、現在の市大と府大が別々では出来なかった大学の機能強化充実を、単に両大学を引っ付けるだけで出来るとは思えません。新大学の抽象的な将来像は、副首都推進本部会議の上山氏らによって明らかにされていますが、これらの具体化については新法人の理事長にもとで行われるとしか市長はおっしゃっていませんでした。実現性について、何のお示しもありませんでした。

 3つめは、新キャンパス整備のことです。新しい大学を作り出すことの象徴として、いくつもに分かれたキャンパスの集約には大きな意味があると、この間何度も申し上げてきました。しかし、松井知事は昨年末の副首都推進本部会議で、それまでの発言をいともたやすく撤回し、はっきり「新たに税投入はしない」とおっしゃいました。一方で、市長は、今般の委員会で唯一踏み込んだ答弁があるとするならば、「市内の中心地にキャンパス整備をするなら、森之宮地域は非常に有力な候補のうちの1つである」とお答えになられた、その一点のみであります。しかし、これとて住吉市民病院の問題を引き合いに出すまでもなく、いま申し上げた松井知事の言葉を合わせると、何の実現可能性もありませんし、担保もありません。当該地において別の目的で行われたマーケットリサーチをおこなったことを唯一の根拠においてはおりますが、そのリサーチ対象の土地と議論された土地がずれており、しかもリサーチに出て来た15の提案の中には、大学キャンパスに関する提案もありましたが、サテライトキャンパスしか入ってはおりません。全く、今回、賛成する根拠にはなりえないものであります。しかも、今回委員会でも、市長答弁によれば、新キャンパス整備は既存のキャンパスを売り払って土地売却益でまかなえ、とおっしゃっておられます。新キャンパスの税投入について明確に発言されたわけではありません。大学はどうおっしゃっているのか、現在の学生、教職員、ステークホルダーの方々はどう思われているのか、お尋ねになられてのことなのでしょうか。冒頭、16000の学生規模になると申し上げましたが、それらの方々を加えると軽く2万人を超えます。建学135年を経過した市立大学が、このような形でいとも簡単に、いずれかのキャンパスが削減される姿は、そこに息づく方々だけでなく、市立大学を地域の宝として育んでこられた多くの市民の思いや、歴史や、伝統などを一顧だにせず、大阪市がそれを見放す、手放すということにほかなりません。

 今回の結論がチャンとした公明正大な、かつ十分な議論の末に導き出された判断であるならば、話は別です。なぜなら、新しい大学がたくさんの市民府民から祝福され、納得のいく議論の末、十分な説明や責任ある将来ビジョンを示す、その過程があれば、我々も賛成できたかもしれません。しかし、唐突に、藪から棒に、これまでの答弁から1ミリも確証ある変化のない中での議決の結果、賛成多数となれば、驚きの念を隠せません。

以上の理由から、本議案に対して、わが会派としては、引き続き慎重な議論を望んでおり、「現段階では賛成できないもの」と申し上げ、議員各位におかれましてはご賛同いただきますよう申し上げ、私の反対討論といたします。ご清聴ありがとうございました。


大学リストラは明らか 

共産党・小川陽太議員

 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表し、ただいま上程されました議案144号「公立大学法人・大阪市立大学と公立団学法人・大阪府立大学との新設合併に関する協議について」、ならびに関連する3件について反対の討論を行います。

 これらの議案は、市大、府大、それぞれの法人を統合しようとするものです。大阪市大の135年の歴史は、日本の近代化の先駆けとして五代友厚らが立ち上げた大阪商業講習所としてスタートし、関はじめ市長が大阪商科大学への昇格にあたって、「国立大学のコピーであってはならない。大阪市を背景とした学問の創造がなければならない。この学問の創造が、学生、出身者、市民を通じて、大阪の文化、経済、社会生活の真髄となって行く時に、設立の意義を全くするものである」と述べました。戦後も、その流れは歴代の教職員、学生、同窓生、市民など、多くの関係者の思いや実践、経験、伝統が積み重なり、いまの大阪市立大学に引き継がれているのです。大学関係者をはじめ市民合意のない拙速な「統合」をすすめるなど断じて認められません。以下、具体に申し上げます。

 第一は、大学の内発的要求にもとづかない、「二重行政の解消」を口実に始まった統合議論が押し付けられていることです。そもそも、府市統合本部で「二重行政」と決め付け、橋下市長の「東京ですら140億円のキャッシュしか出していない、大阪では府と市あわせて200億円、大阪はそこまでの大学を抱える必要があるのか」というところから始まった議論にほかなりません。その後、統合案件は議会で否決され、「都構想」住民投票でも否決され、「統合」問題は決着したはずでした。ところが、2015年のダブル選挙のあと、またぞろ大学統合議論が再始動し、統合本部から衣替えした副首都推進本部会議で上山特別顧問などが主導し、大学自身に統合をすすめさせるよう仕向けるための「新大学4者タスクホース」が設置されました。しかし、昨年秋に発表された、大阪府大学教職員組合と教職員ユニオン連名の「声明」が、「行政主導で新大学に関するいくつかの提言と計画が示されてきたが、その議論は混迷し、両大学の将来像については大学内でも、両大学間でもいまだ議論は不十分である」と述べているように、この間の統合議論は、教員や学生、卒業生といった関係者を含め、何ら市民・府民的な理解を得られるものとなっていないのが現実です。「二重行政」だからとキャッシュを減らす真の狙いを隠すために、「経費削減が目的ではない」と言ってみたり、「1法人、2大学」と言ってみたり、いろいろ言説を変え、ゴマカシを重ねてきました。現在「まずは法人統合」と言っているわけですが、吉村市長は16日の都市経済委員会で、「森之宮に新キャンパスをつくることを検討している」などと突然言い出しました。いったい、いつ、どこで、キチンと詰められた話なのか、いったい学部の再編はどうなるのか、キャンパスとして必要な広さは確保されるのか、財源はどうするのか、結局、思いつきで、抽象的な議論でしかなく、具体的な新大学の姿は、未だ何も示されてはおりません。ただただその場しのぎの発言をくり返し、しゃにむに大学統合を推し進めようとする、このようなやり方は、絶対に許されません。

 第2は、法人統合の狙いが、「大学の自治」を蹂躙し、強権的に大学リストラをすすめるものに他ならないからであります。「法人統合の基本的な考え方」の中で、法人統合の趣旨として「一元化された理事長のもとで、大学統合をめざす」と明記されています。知事・市長が任命する理事長が、両大学に直接、知事・市長の意向を押し付けていくことになります。そして、法人統合のもう1つの趣旨として、「ガバナンスの強化をはかり、選択と集中の視点から、構造的な改革および資源の効果的な活用を行えるよう、経営を一体化する」と書かれており、その狙いが、学部の再編や定数削減の大学リストラであることが明らかです。これが推進されれば、比較的安い授業料で高等教育を受けることができる機会が減り、府民・市民にとって大きな損失となります。また、大学運営資金確保に汲々となれば、研究も外部資金獲得競争に駆り立てられます。市大が防衛省の軍事研究に手を出していることなどはその典型であり、効率化の名の下、さらなる経費節減が迫られれば、自由な学問の発展を阻害することに繋がります。

 大阪に貢献する良い大学を作るというのなら、両大学のかけがえのない歴史と伝統をしっかりと引き継ぎ、両大学がそれぞれに公立総合大学として存続・発展してゆくための支援を強めることが重要であります。

教員、学生、卒業生などの大学関係者と市民をないがしろにする「統合」には反対と申し上げ、反対討論とします。

   

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