再度の軍事研究応募に抗議

 10月18日、軍学共同反対連絡会の西山勝夫氏(滋賀医科大学名誉教授)と「軍学共同いらない!市民と科学者の会・大阪」の代表ら7人が大阪市立大学を訪れ、以下の「抗議・要請書」を手交し、大阪市立大学執行部の認識をただした。

 

抗議・要請書

大阪市立大学学長

荒川 哲男 様

 

2016年度に続き、2019年度も防衛省「安全保障技術研究推進制度」に応募し、

採択されたことを厳重に抗議するとともに、直ちに中止・撤回するよう要請します

 

防衛省は8月30日、2019年度「安全保障技術研究推進制度」の新規採択研究課題について、57件の応募に対して16件(大学2件、公的研究機関7件、企業7件)を採択、そのうち小規模研究課題(タイプA)として大阪市立大学の山田祐介氏による「拡張された細孔をもつ配位高分子を利用した有機リン化合物の検出」と題する研究課題を採択したことを公表しました。

2016年度に応募・採択され、3年間の委託研究を終え、間髪おかずに19年度も応募し、採択されたのは大阪市大・山田氏だけです。前回は、有機分子の吸着・分化する材料の実現で、今回はその延長線上で有機リン化合物の検出に関わる研究課題です。有機リン化合物は、神経・呼吸器系に対する毒性で知られ、第2次大戦下で毒ガスとして多用され、地下鉄サリン事件で使用されたのもその1種でした。山田氏は「残留農薬を検出するツールの研究」と言いますが、ベトナム戦争で米軍が撒いた「最も人道的な兵器」が農薬だったことを想起するべきです。

大学からの応募は、2015年の58件(採択4件)から16年は23件(採択5件)に半減、17年22件(採択ゼロ)、18年12件(採択3件)、そして19年は8件(採択2件、大阪市大と山口大学)に減少しました。多くの大学が、2017年3月に発表された日本学術会議の「軍事的安全保障研究に関する声明」を真摯に受け止め、「軍事研究を行わない」ことを自主的に決め、応募しなくなったからです。

この度の、2016年度に続いて2019年度も応募し採択された大阪市大の口実は、「防衛省の委託研究のすべてが『軍事研究』ではない」「基礎研究であり、公開性も保障されている」から防衛省の委託研究に積極的に応募しても構わないというもので、軍学共同研究への加担を戒めた日本学術会議声明を真摯に受けとめず、その趣旨をねじ曲げる態度であり、とうてい容認できません。大学が一度、軍事研究に加担すれば、教育・研究を歪め、「学問の自由」を脅かす事態につながります。それはまた、「大阪商大事件」を体験した大阪市大の反戦・平和、自由・民主主義の歴史と伝統を汚す愚かな行為であります。

私たちは、2度にわたる防衛省委託研究応募・採択を厳重に抗議するとともに、直ちに受託契約の手続きを中止し、応募を撤回するよう強く求めます。

また、今年6月12日の要請の際、「2019年度は1件の申告があり、2018年度4月に施行された審査制度に基づき審査・承認し、応募している」と回答されましたが、2018年4月に施行された審査制度と審査基準を公表するよう求めます。

私たちは、大阪市大が「2度と『軍学共同』研究を行わない」という立場にたち、そのための審査制度を再検討されるよう強く求めるものです。

 

   2019・10・18      軍学共同反対連絡会

                共同代表:池内 了・野田隆三郎・香山リカ

                軍学共同いらない!市民と科学者の会・大阪

     大阪革新懇・日本科学者会議大阪支部・大阪平和委員会

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