「納豆が体にいい」「味噌汁にがん抑制作用がある」。「あるある」の番組宣伝に胡散臭さを感じていたところ、やっぱりねつ造でしたか。「あるある」の放送でスーパーが仕入をかえる、番組企画とリンクして業界が動く、あるいは「あるある」に企画を持ち込む、ということも常態化していたようです。いつか「あるある」のジョギング企画の直後に近所の散歩道にジョギングする人が急に増えたなあと、うちの嫁さんが言っていました。それだけテレビは市民生活に大きな影響を与えています。
しかし、番組作りは視聴率獲得を至上命令にして、真実は二の次、「面白さ・楽しさ」を追求した結果、実験結果を改ざんする、学者のコメントをでっちあげる、という最悪の手法に手を染める結果となりました。この「売り物」が食べ物なら雪印・不二家のように営業停止、松下やパロマなら製品の回収、自動車ならリコールなど、会社の存亡にかかわる事柄です。関西テレビは検証番組を放送して再起を期すようです。識者のなかには制作現場のモラル低下の背景に制作会社に対する買いたたき、キックバック、キー局から「天下り」などの構造があると指摘するものもあります。
日曜9時の時間帯は、我が家では日テレにチャンネルを合わせる割合が多いのですが「表と裏」をリモコンでちらちら見るという鑑賞態度でした。この「行列ができる法律相談所」も最近は、事件が決まり切ってしまっていて、恋愛・離婚・相続・職場のトラブルの焼き直しで飽きてしまいました。完全に島田紳助のトークバラエティーですね。弁護士先生も軽薄さが増すばかり、特に「若手弁護士」がぞろっと出演した時などは、私の知る弁護士像とのギャップに怒りがこみ上げてきます。と、こういう批判が高まるとありがたくないことに為政者は権力をちらつかせて、放送内容に口を出してきます。放送人の自主的な奮起を望みたい。
この法律番組からも軽薄な弁護士が知事をつとめて三百代言を吐き続け、司会者がやくざとつながっていたことが分かった。(2012.7)