1千億円もの税金がすでに水泡に帰しているのにさらに400億円をつぎ込む、こんな無茶なことが、資料の全面公開も関係者の尋問もなく決定されました。石原慎太郎東京都知事のトップダウンで設立された新銀行東京は、「無担保・無保証」、申込み三日で即決即断、中小企業に融資することを看板にしたものの、融資の一割がこげつき、都が出資した1千億円が失われたものとみられています。「石原銀行」と異名を持つ同銀行は都自身が銀行経営に乗り出すという異例のもの。都が作った「マスタープラン」を踏襲した経営が行われてきました。この設立を主導した石原都知事は旧経営陣の責任をあげつらうばかりで、自らの責任は棚に上げたまま。逆に「世論調査気にしていたら政治はできない」と開き直って400億円の追加出資を強行しました。共産党を除く実質オール石原与党の都議会では、民主党があいまいな態度をとったため新銀行の破たんの責任追及はとん挫したままです。
東京都民もみくびられたものです。しかし、大阪も他人事ではありません。関空をはじめ府が主導した大型開発の失敗のツケを庶民が払わされようとしています。大量得票をして知事になった御仁も、都知事の弟子のようですから。(2008.4)