ところで、保険会社が言う「保険料は損金算入できます」ってどういうことでしょうか。そもそも「支払保険料」は勘定科目にもあるし、全額を「費用」で落としてかまわないんじゃないでしょうか。だいたい月々の保険料の経理処理を説明してくれる保険会社や勧誘員はいません。「簿記」の教科書にも説明がありません。
法人で生命保険の契約をし、保険料を支払った場合、この経理処理はどうしたらいいのでしょうか。結論は「とりあえず全額『支払保険料』で落としましょう」ということです。よく「経理処理を税理士さんに相談したら、答えがたよりない」という声を聴きます。このケースもそうです。何となく「たよりなくなる」のは、
① 生命保険の処理は契約書を見てみなければわからない
② 簿記会計と税務処理は違うことが多い
という事情があるからです。
保険料である限り、いつでも自由に必要なだけ引き出せる「預金」ではありませんから「支払保険料」として処理してもまちがいではありません。
しかし、生命保険契約は誰に保険をかけているのか、どういう事故で保険金が支払われるのか、保険金の受取人は誰かで、税務上の処理はかわります。
つまり、日常・月々の簿記会計と税務上の処理は違うということです。普通、「会社の利益」に税率をかけて税金の計算をすると思われていますが、「会社の利益」金額と税率をかけるもとになる金額(課税所得)とはイコールではありません。税理士の仕事は「会社の利益」から「課税所得」を導き出すことです。税務上、費用に計上できることを「損金算入」と言います。「損金」というのは法人税法で使われる特殊な単語で、簿記会計の「費用」とほぼ同じ意味ですが、違う部分もあるということです。
生命保険の場合、「支払保険料」の金額から税務上資産計上すべき部分を決算調整として、「保険積立金」などの資産勘定に振り替え、簿記会計と税務上の処理を合わせる調整が一般的です。ただし、あくまで税務上の調整にあわせて簿記会計で処理しているため、「保険積立金」の残高証明を保険会社が出してくれるわけでもありませんし、解約しても資産計上した金額がそのまま払い戻されるわけでもありません。しかも、会社で個々の契約ごとに「保険積立金」の計上額を把握しておかなければなりません。解約した際の差額が利益または損失になります。
保険料はとりあえず「支払保険料」で処理しますが、決算処理で費用にならない部分について資産に振り替えることがあることを、あらかじめご了解ください。
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