16年9月24日に開かれた「ここが問題!府大・市大の統合」学習会で仲本「会」世話人がおこなった冒頭あいさつは、次の通りです。
お休みの日にお集まりいただきありがとうございます。
この学習会は、市大の「考える会」が、今日の大学統合をめぐる情勢について、改めて学びあおうということで、市大OBで阪南大の桜田照雄さんに講師を引き受けてもらい実現しました。市大「考える会」主催の学習会は、3年前の12月に立命館大学の森裕之先生に講演をお願いしていらい2度目となります。
この3年間を振り返ってみますと、2013年、橋下「維新の会」は2重行政批判の象徴として大学統合への道をしゃにむに進めていました。2016年春に大学統合をめざす議案を議会に提出していました。しかし、この議案はその年の11月に市会で否決されました。この前後には、市大・府大の名誉教授ら21氏の「憂慮する声明」が発表され、学長選挙をめぐる大学の自治の危機についての懸念が各分野で表明されました。翌14年9月にはわたしたち市大・府大「考える会」も拙速な統合に反対する署名を2万筆集め、知事・市長に提出しました。
こうした活動により、ほぼ2年間大学問題はこう着状態にあったわけですが、相手側は大学みずからが統合を願っているという体裁で統合案を練り直し、議会での多数派工作を図っていたようです。昨年の住民投票による大阪市廃止案の否決・府市のダブル選挙の結果といういわばもみ合いの末、昨年末、大学統合を路線としようとする大学の「中期目標」の変更議案が議会で可決されました。これと同時に附帯決議で「一から幅広く議論する」ことも採択されたことを、私たちは重視しなければならないと考えています。
現在は、副首都推進本部会議で議論されているのですが、またぞろ統合本部会議の亜流が復活し、大学を「新たな商品、サービスを生み出す、知の拠点」にするなどと松井知事が発言しています。市大の荒川学長はこの会議で「運営費交付金の維持」という知事・市長の空手形に感謝し、さらに統合初期費用の拠出の確約を繰り返しお願いする、という態度です。詳しくはお手元の資料をご覧ください。
この春、私たちは政府交渉を行いました。文科省は「府市2大学は別々のミッションを持っている。2重行政とは認識していない」と述べました。私たちは、大学について2重行政論が破たんしたもとで、「強く大きな大学にする」などという欺瞞を許すわけにはいきません。より良い大学にしたいという府民・市民の思いが「都構想」のダシに使われるのは許せません。
ここで、あまり深入りすると講演の内容と重なってしまいますので、この辺で切り上げ、皆さんと一緒に学習し意見交換をしたいと思います。よろしくお願いします。
なお、講演の内容については近く冊子等にして普及する予定です。