税理士として初めて地区税務相談会に4回参加させてもらいました。多岐にわたる相談をお受けしました。
限られた時間の中でていねいな説明を心掛けたつもりですが、中にはいら立った気持ちのなかで感情を高ぶらせる相談者もいらっしゃいました。その方は、新規開業の方で、初めての決算・申告で、赤字の内容でした。資金も底をつきそうで、出費した金を費用に計上して何が悪いのか、棚卸など分からない、と。一時は非常に険悪な雰囲気になりましたが、会場を出るときには笑顔で声をかけていただきましたので、ほっとしました。何がカンに障ったのか今でもよくわかりませんが、事業の成功を祈らずにはいられません。
無料相談会ですから、小規模・零細な事業者の方、年金受給者や退職者の相談が多かったのですが、深刻な生活困窮を抱える方も少なくありません。うつ病を発症して失業した子供を抱えて生活する、高齢者の相談も数組ありました。たまたま私に割り振られた方で数組あったのですから、全体では大変な数があると想像できます。それも「うつ」・「失業」という判で押したようなケースです。もう「税務相談」の範囲を超えています。「自己責任」の一言で孤立を強いられている方々の声を拾えるチャンネルがもっと増えなければと、思いました。(2013.3.1)