登録申請者の権利を軽視する日税連「手引き」の態度が登録調査委員会を誤導する背景となっている。そのうえ、K氏・B氏は税理士法さえまともに読んだこともないようなのだ。その委員会が「税理士登録の番人」「法の番人」気取りの雰囲気に支配されているとすれば、これ以上の皮肉があるだろうか。このような委員会は権利の妨害者でしかない。
そもそも、登録事務が国税庁から税理士会に委託されたのは、課税庁と税理士という立場の違いから税理士の独立性を担保するためだ(北野弘久「税理士制度の研究」参照)という。この趣旨から見るならば、登録拒否に関する申請者の国税庁長官にたいする審査請求の規定は、申請者の権利救済を目的としたものといえる。「監督官庁の支配」とは趣の異なるものだ。さらに、法に基づかない判断を国税庁長官が行えば、行政訴訟の道も残されている。
つまり、申請の取り下げさえしなければ、自己の権利を主張してたたかい続けることができる。自分の権利を守れなくて納税者の権利を守ることができようか。
2月13日の2回目の面接において、K氏・B氏にC氏が面接に加わった。そのC氏の口から「申請者の権利」という言葉を聞いた時には、本当に救われる思いをした。私はその場で「申請の取り下げはしない」と明確に告げ、その3か月半後に登録の通知を勝ち取ることができた。(2012.12.31)(つづく)